男「最後に勝つのはロリコン」〜俺がロリコンになった理由〜
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1:名無しNIPPER[saga]
2017/06/26(月) 21:06:04.34 ID:2XkT9Zn40
まえがき
ジャンル……キモオタコミュ障奮闘記
4千字程度



安価も魔法も巨大ロボットもない。

これから男こと、俺がロリコンになった話をしよう。

あれは数年前、いやもう数十年前の話になる。

あの頃、俺はまだ大学生だった。

俺の外見や特徴と言ったものを端的に表現するのならば、典型的なキモオタである。

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2:名無しNIPPER[saga]
2017/06/26(月) 21:06:38.30 ID:2XkT9Zn40
どの程度のレベルのキモオタであるのかというと。

ファーストガンダムで地味だけど好きなシーンを挙げろと言われたら、

ホワイトベースが攻撃され亀裂が入って、艦内で乗組員がバルブを捻って
以下略 AAS



3:名無しNIPPER[saga]
2017/06/26(月) 21:07:35.16 ID:2XkT9Zn40
さて大学生のイメージといえば、今の時代、いわるウェイ系などを

思い浮かべる方も多くいるだろうが、工学部のキモオタである俺はその対極であった。


以下略 AAS



4:名無しNIPPER[saga]
2017/06/26(月) 21:08:39.72 ID:2XkT9Zn40
大学内に友人がいないわけではないが、多いわけでもない。基本は常に単独行動である。

誰かに頼ることも頼られることもない。

ここまでいえばお分かりだろうが、典型的なキモオタかつコミュ障だった。
以下略 AAS



5:名無しNIPPER[saga]
2017/06/26(月) 21:11:33.34 ID:2XkT9Zn40

俺はその日の帰り道も独りだった。アパートから大学までの道のりは自転車と電車を用いていた。

電車の中では文庫本を読む。もしくはひたすら景色を眺める。

以下略 AAS



6:名無しNIPPER[saga]
2017/06/26(月) 21:12:19.83 ID:2XkT9Zn40
ここでガシャンと大きな音が耳に飛び込んできた。俺は視線を挙げて周囲の状況を探った。

原因はすぐに分かった。

自転車置き場で男性が並んでいる自転車を倒したの音だったのだ。
以下略 AAS



7:名無しNIPPER[saga]
2017/06/26(月) 21:12:55.95 ID:2XkT9Zn40
俺は自転車置き場に向かっていて、倒れた自転車の中に、俺の自転車はない。

けど倒れた瞬間と直し始めた所も見ていた。

そこを素通りして俺の自転車を取り出して走り去るのは、あまりにも不親切ではないか。
以下略 AAS



8:名無しNIPPER[saga]
2017/06/26(月) 21:13:31.10 ID:2XkT9Zn40

男「手伝いますよ」

男性「……」

以下略 AAS



9:名無しNIPPER[saga]
2017/06/26(月) 21:14:08.93 ID:2XkT9Zn40
俺は周囲を見渡した。そしてすぐに見つけた。

見つけられたのは自転車に跨り、走り去る男性の姿だった。

男「……」
以下略 AAS



10:名無しNIPPER[saga]
2017/06/26(月) 21:15:04.13 ID:2XkT9Zn40
男性は初めから、ドミノ倒しになった自転車を直していたのではなくて、

ドミノ倒しになった一台目が男性の自転車だったから、直していたに過ぎなかったのだ。

コミュ障特有の声の小ささを発揮してしまったのかと最初は思った。
以下略 AAS



11:名無しNIPPER[saga]
2017/06/26(月) 21:15:57.48 ID:2XkT9Zn40
男(なんだあいつ! なんだあいつ! 死ね! ムカつく! 死ね!)

追いかけて文句の一つも言いたい気分。いや、怒鳴りつけてやりたい気分だった。

しかし、そんな度胸もないので心の中でできる限りの悪態をつきながら、倒れた自転車を直していく。
以下略 AAS



12:名無しNIPPER[saga]
2017/06/26(月) 21:16:54.45 ID:2XkT9Zn40
男(そりゃ、俺だって初めから倒れている自転車とか、風が強くて直してもすぐ倒れるような日の自転車は直さないよ)

男(でもそうじゃないじゃん。アイツが倒したんじゃん)

男(俺やアイツみたいな若い男ならいいよ。自転車起こすくらい。面倒なだけで済むし)
以下略 AAS



13:名無しNIPPER[saga]
2017/06/26(月) 21:17:33.33 ID:2XkT9Zn40
男「……」

男(帰ろう)

俺はその日、もともと大した親切心は持ってなかった癖にムカムカしながら帰路についた。
以下略 AAS



14:名無しNIPPER[saga]
2017/06/26(月) 21:18:52.45 ID:2XkT9Zn40
三日後


男(またかよ)

以下略 AAS



15:名無しNIPPER[saga]
2017/06/26(月) 21:20:07.47 ID:2XkT9Zn40
しかしその日の俺の自転車は自転車置き場の奥にある。

女の子の近くを通らなければならない。

俺は女の子を横目で観察しながら、自分の自転車に向かった。
以下略 AAS



16:名無しNIPPER[saga]
2017/06/26(月) 21:20:48.25 ID:2XkT9Zn40
男(そうだ)

またこの前のみたいにお礼も言えないような奴なら、今度こそ怒鳴りつけてやろう。

俺は最低なことを考えていた。
以下略 AAS



17:名無しNIPPER[saga]
2017/06/26(月) 21:22:32.14 ID:2XkT9Zn40
男「少しいいですか?」

女の子は突然、後ろから声をかけられて驚いているようだった。

ちなみにそのときの表情はわからなかった。何故ならコミュ障は顔を見ない。
以下略 AAS



18:名無しNIPPER[saga]
2017/06/26(月) 21:23:48.85 ID:2XkT9Zn40
倒れた自転車のハンドルはゴム製で、それが女の子の自転車のスポークの部分にガッチリはまっていた。

倒れた自転車を起こすには、自転車を一台持ち上げながら、スポークからハンドルを引き抜かねばならなかった。

小さな中学生の女の子一人の力では無理だったんだろう。
以下略 AAS



19:名無しNIPPER[saga]
2017/06/26(月) 21:24:48.44 ID:2XkT9Zn40
女の子は満面の笑顔だった。キモオタの俺に向けるにはもったいないくらいの笑顔だった。

美人とか愛嬌があるとか、キモオタの貧相な語彙力では言い表せない笑顔だった。

女の子「がちがちにハマっちゃってて、私じゃどうしても抜けなくて助かりました」
以下略 AAS



20:名無しNIPPER[saga]
2017/06/26(月) 21:25:26.56 ID:2XkT9Zn40
男「いっ、いぇいえ」

俺は急に後ろめたくなって、どもりながら返事をして、女の子が頭を挙げる前に自分の自転車に向かった。

コミュ障が人と話して逃げるのは、気恥ずかしさからだったが、この時ばかりは後ろめたさから逃げた。
以下略 AAS



21:名無しNIPPER[saga]
2017/06/26(月) 21:27:23.92 ID:2XkT9Zn40
あれから長い年月がたった。

もうあの女の子の顔もしっかりとは思い出せない。

ただすごく素敵な笑顔でお礼を言ってくれたこと。
以下略 AAS



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