291: ◆vfNQkIbfW2[saga]
2017/08/03(木) 22:19:34.06 ID:ry+PAT+00
〜高館〜
底野「もうすぐだ、もうすぐ着く。館に戻ったら、まずは寝よう。ちょいと遅めの昼寝でござるが」
霊長の殺戮者「兄様は眠くないの?」ホワァ
底野「昨日の夕方からずっと走り続けておるが、まだまだ余裕。坂東武者の体力は無尽蔵でござるよ!」
霊長の殺戮者「兄様! あれを……」
底野「なッ……!」
燃えていた。
そよ風に揺れている田んぼの稲も、童子らが遊んだ高館の大樹も、霊長の殺戮者と住んだ義経の館も。
全てが火の海と化し、黒い煙を鈍色の曇り空へ向けて吐き出していた。
底野「弁慶殿、伊勢殿、亀井殿、片岡殿ッ!」
しばらく、開いた口が塞がらなかった。背に少女を乗せたことも忘れて、惚けていた。
霊長の殺戮者「みんな、死んじゃったの……? 義経様も、弁慶様も、優しかった侍女さんも……」
底野「誰だ、誰がこんなことを! だが、まずは生存者の確認だ。まだ義経様が死んだとは限らぬ! いけ、ダークマター!」
大邪神ダークマター(>>292)
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