映姫「霧の湖で、恋を知る」-SS速報VIP

映姫「霧の湖で、恋を知る」

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26: ◆Uq/hUTiii9pg[sage saga]
2017/07/23(日) 18:09:18.30 ID:RZsCc4M/0
「そ、そうですか。楽しそうで何よりです」
「うん！えーきのおかげだよっ。えーきが寺子屋に通えるようにしてくれたから、あの子達と友達になれたんだもん」

「本当にありがとう！」と言って、チルノは本当に嬉しそうな、楽しそうな笑みを浮かべてみせる。
その表情は、自分の気持ちを知ってしまった今となってはあまりにも魅力的で。

以下略 AAS

27: ◆Uq/hUTiii9pg[sage saga]
2017/07/23(日) 18:10:37.10 ID:RZsCc4M/0
―文月ノ第三日曜日―

昨夜は、なかなか寝付けなかった。
何度もカレンダーを見て、今日が約束の日であることを確認したり、どういう言葉でチルノに告白するべきか、何回も考え直したり。
いざ布団に入っても、目を瞑ると脳裏にチルノの笑顔が浮かんできてしまい、ドキドキして、とても寝られたものではなかった。

以下略 AAS

28: ◆Uq/hUTiii9pg[sage saga]
2017/07/23(日) 18:12:14.88 ID:RZsCc4M/0
「おはよー、えーき！」
「おはようございます、チルノ」

約束した時刻より十分ほど早く、私は湖へと到着し、チルノの家へと案内されていた。
その最中も、彼女はうきうきとした様子を隠そうともしない。私は『本当に今日という日を楽しみにしてくれていたんだ』と、嬉しい気持ちになった。

以下略 AAS

29: ◆Uq/hUTiii9pg[sage saga]
2017/07/23(日) 18:15:38.26 ID:RZsCc4M/0
「本当に突然だね」
「ええ。すみません」
「謝ることはないんだけどさ。でも、好きな人かあ。それって、あたいが誰かに恋してるかどうかってことだよね？」

『恋』という単語に思わずドキッとするものの、それを極力悟られないように、私は平静を装って答える。

以下略 AAS

30: ◆Uq/hUTiii9pg[sage saga]
2017/07/23(日) 18:17:17.52 ID:RZsCc4M/0
「……」
「えーき？どうしたの？やっぱり具合悪い？」

何も言わず俯く私を見て、チルノはおろおろと心配そうな顔をする。
そんな彼女の様子を見ながら、私は迷っていた。

以下略 AAS

31: ◆Uq/hUTiii9pg[sage saga]
2017/07/23(日) 18:19:04.83 ID:RZsCc4M/0
「ちゅーなら、したいですよ。私は」
「え？」
「チルノとなら、ちゅーしたいって言ったんです！」
「え、えーき？」

以下略 AAS

32: ◆Uq/hUTiii9pg[sage saga]
2017/07/23(日) 18:23:49.98 ID:RZsCc4M/0
以上で前編終了です。
別スレ立てようかと思いましたが、このまま後編行かせて頂きます。

チルノ「霧の湖で、恋を歌う」

33: ◆Uq/hUTiii9pg[sage saga]
2017/07/23(日) 18:24:58.83 ID:RZsCc4M/0
―――新しい友達ができたと思っていた。一緒に遊んだり、話したり、とても楽しかった。
でも……『友達』として見ていたのは、あたいだけだった？

ねえ、あたいはどうすればいいのかな。

34: ◆Uq/hUTiii9pg[sage saga]
2017/07/23(日) 18:27:34.76 ID:RZsCc4M/0
―文月ノ第三月曜日―

窓から差し込む夕日を頬に受けながら、あたいは机に頬杖をついて、ぼうっと過ごしていた。

寺子屋の授業はもう終わり、今教室に居るのはあたいだけ。

以下略 AAS

35: ◆Uq/hUTiii9pg[sage saga]
2017/07/23(日) 18:28:35.63 ID:RZsCc4M/0
「一人で居るなんて珍しいな。どうした？」
「あ、けーね。いたんだ」
「『いたんだ』って、あのなあ。お前たち生徒をここに置いたまま、教師が先に帰れるか？」

振り返ると、そこには、あたいの言葉に少し呆れ顔になったけーねがいた。

以下略 AAS

36: ◆Uq/hUTiii9pg[sage saga]
2017/07/23(日) 18:29:40.43 ID:RZsCc4M/0
「……そうか。告白されたのか」
「うん。誰から、って所までは言いたくないんだけど……ごめんね？」
「何、構わないさ」

「むしろ、そこをきちんと尊重できるのは偉いぞ？相手の気持ちをきちんと考えていないとできないことだからな」と言って、けーねはあたいの頭を優しくなでる。

以下略 AAS

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