12:名無しNIPPER[saga]
2017/07/27(木) 00:50:38.72 ID:wKOBUZhB0
しばらく日が経った後、母さんと美波との対面が許された。
「あら、いらっしゃい」
母さんは笑顔で迎えてくれた。妹は寝ており、静かに寝息を立てている。俺は父さんにシーっとジェスチャーを送ると、父さんも母さんもクスクスと笑っていた。
初めて対面した美波はしわくちゃで、でも愛しくて、お兄ちゃんになるんだという思いがふつふつと湧いてきた。
「さあ、今日からお兄ちゃんなんだ。挨拶、しておこうか」
「うん……えっと、こんにちわ。今日から君のお兄ちゃんになります。よろしくね」
起こさないように、静かに、でもしっかりと伝えた。俺は寝ている美波へゆっくりと手を伸ばす。すると、伸ばした指を弱々しく掴まれた。温かく、とても安心できた。
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