周子「切なさ想いシューコちゃん」
1- 20
25:znAUHOH90[sage]
2017/08/15(火) 00:05:57.99 ID:ytW4vJUe0

「はーあ、あたしのファーストキスはお酒の味かあー」
「……俺はちょっとしょっぱかったな。涙味。」
「んー? ファーストやったん? ほんまに?」
「……それ、やっぱ正直に言わなきゃダメか?」
「ふーん……なーんか妙に慣れてはったもんねー。Pはんにとって、あたしは何番目の女なんやろか。はー、あたしにとっては最初で最後の男やと思うのになぁ。上手くいかんもんやねえ。」
「うっ……」
「ふふっ、いいよ。許したげる。」
「飄々としてからに……あのあと結局ぼろ泣きしてた、しおらしい周子はどこ行ったんだ?」
「涙は女の武器どすー♪」
「ちきしょう。」
「しおらしおみー」
「なんだって?」
「なんでもー」

小指を絡めて、たらーんたらーんと歩きながら、涙味、なんて洒落たこというPさんをからかってやった。
夜の街から離れた、あの四畳一間に続く帰り道は、静かな暗闇に街灯でぼうっと浮かび上がらされて、世界で二人だけになったみたい。

「その代わり、こっから先は、あたしの独り占めっ♪」

Pさんと昔一夜を過ごしたかもしれない、名前もわからない女の子に対抗心を燃やしてしまうあたしは、可愛くないかな。
あたしって結構、独占欲強かったんだねえ。
さっきから余韻の続いてる、ふわふわした多幸感に任せて、胸のなかにPさんの腕をひったくる。

「おっ……!? あ、あんまり、外でくっつくなよ。」
「……イヤなん?」
「〜っ!」

腕に耳をぴったりくっつけて、お澄まし顔で少し不安そうにPさんを見つめる。
ふふっ、この見上げられ方、結構好きでしょ。ちゃんと知ってるよ。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
36Res/29.93 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice