2: ◆C2VTzcV58A[saga]
2017/08/13(日) 04:56:52.23 ID:Y2FCiwW5O
「的場、また明日な」
「さよならー」
玄関のところで会った体育の先生にあいさつをしてから、上履きからスニーカーに履き替える。晴におススメされて買ったんだけど、確かに動きやすいし足が疲れにくい気がする。運動が好きな子だから、そういう靴にも詳しいのね、きっと。
まあ、ちょっとおしゃれ度が足りないのは仕方ないけど。そこはアタシのセンスでどうにかしちゃうんだから。
「………って、あれ?」
スニーカーに合うファッションを考えながら歩いていたら、校門のあたりで警備員のオジサンが大人の男に詰め寄っているのが見えた。
「先ほどからこのあたりをうろうろしているようですが、何を?」
「ああいえ、私は怪しい者ではなく、ただ――」
不審者ってヤツかしら? でもあのスーツ、すごく見覚えがあるっていうか……そもそもあの顔、めちゃくちゃ頻繁に見ているっていうか。
「なにしてんのよ、アイツ……」
なんでここにいるのよ、とか、なんで不審者扱いされてるのよ、とか。いろいろ言いたいことはあったけど、とりあえず二人が立っているところまで走って。
「ごめんなさい。そこの人、アタシのプロデューサーなの」
「プロデューサー? ああ、そういえばアイドルをやっている生徒がウチにいるって」
「それ、アタシのこと。だからそこの人、不審者じゃないから」
「そうか。私はてっきり、変質者が生徒の下校時を狙っているのかと……どうもすみませんでした」
「あー、まあ確かにヘンタイのロリコンなのは合ってるけど」
「ロリコン?」
「あー! なんでもないです! じゃあ梨沙、いこうか。どうも警備員さん、紛らわしいことをして申し訳ありませんでした」
強引に話を終わらせたPは、アタシを連れて駐車場まで歩きだす。警備員さんは、ぺこりと頭を下げながら見送ってくれていた。
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