フレデリカ「怪談ごっこ、その4」
1- 20
18: ◆TDuorh6/aM[saga]
2017/08/26(土) 19:55:10.88 ID:QhrAtV4YO


翌日、不安になりながら事務所に向かって歩いた。
事務所の警備員に挨拶してみる、返ってこない。
エレベーターで一緒に乗った人に挨拶してみる、返ってこない。
何度か挨拶すれば、ようやく気付いてくれるんだけどね。

こうなってくると、どんどん不安になってくる。
大丈夫、みんななら挨拶してくれる。
アタシの名前をちゃんと呼んでくれる。
少し寒かったから秋を先取りした服着てみたし、褒めてくれる。

部屋のドアの前で一瞬躊躇ったけど、迷ってたって何がある訳じゃないから。
アタシは勢いよく、ドアを開けた。
アタシに気付かなくても、ドアの音で気付いて貰える様に。
そんな保険を掛けちゃうくらい、不安で不安で仕方が無くて。

「おはよー!フレデリカちゃんだよー!」

杏ちゃんと、肇ちゃんと、文香ちゃんと、プロデューサー。
四人八つの目が、こっちに向けられた。
良かったー!気付いて貰えた!
うん、これから毎日少し派手に登場すれば良いよね!

……あれ?
なんだかみんな、不思議そうな顔をしてる。
ねぇ、どうしたの?
音が大きくてびっくりしちゃった?

不安で仕方が無くって、今すぐにでもドアを閉じそうになる。
ううん、大丈夫。
気付いて貰えた、名前も自分から言った。
不安になる要素なんて、一つも……




<<前のレス[*]次のレス[#]>>
33Res/29.33 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice