フレデリカ「怪談ごっこ、その4」
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25: ◆TDuorh6/aM[saga]
2017/08/26(土) 20:01:40.74 ID:QhrAtV4YO



眼が覚めると、いつもと違う風景。
まだボンヤリした脳を少しずつ覚醒させる。
あれ?なんでアタシこんな場所で……
あ、そっか、そうだったね。

スマホをつけると、私以外の三人が写った壁紙。
そろそろ退出時間だし、お金払わなきゃ。
こんな生活で、いつまで保つかな……
ほんとにずっと、このままなのかな……

フロントに鍵を返そうと、エレベーターで下る。
当然、同乗者に挨拶をしても返事は無い。
あと5回くらい話し掛けたら、こっちに気付いてくれるのかな。
どんどん、気付いて貰い難くなってるね。

エレベーターから降りようとして、乗ってくる人にぶつかった。
『あ、ごめんね?』って謝っても、相手はアタシに気付いてくれない。
もしかして……!って、走ってフロントの人に鍵を返そうとする。
『なんで鍵が置きっ放しになってるんだ?』って言いながら片付けただけだった。

もう誰も、アタシを見る事すら出来ないんだね。

街を歩くと、何度も人にぶつかっちゃった。
謝っても、相手は頭にハテナを浮かべながら去ってく。
電話を掛けてみても、相手には何も聞こえてないみたいでイタズラ電話だと思われちゃった。
電車に乗ろうと改札を通ると、駅員さんが凄く不思議そうな顔をしてた。

苦難を乗り越えて事務所に辿り着いて、アタシはアタシ達の部屋を目指した。
ユニットのメンバーに、プロデューサーに。
会いたかったから、気付いて欲しかったから。
誰かにアタシの名前を言って欲しかったから。

誰にも気付いて貰えないなんて。
そんなの、存在しないのと一緒じゃん。




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