18: ◆0PxB4V7kSI[sage saga]
2017/09/08(金) 01:42:48.90 ID:xMQ2bOga0
「…………これが、俺からお前への誕生日プレゼントだ。
今この場所で、開けてみてくれないか」
そう言って、プロデューサーはまゆに包装された箱を手渡した。
まゆは受け取ったそれを、保存出来る状態にするために暗い中でも一つ一つ丁寧に解いていく。
そしてカッターを使わず綺麗に外装を取ると、中から小さな箱が出てきた。
外側からして手触りの良い四角形の箱。形状と大きさから中身は容易に想像できるが。
─────箱を開ける。自らの目でもって確かめる。
「あ…………」
例え予想していても、実際に目にした時はやはり感嘆の声が漏れてしまう。
────何せ、中に入っていたのはダイヤモンドをあしらった純銀の指輪だったのだから。
当然ながら、まゆはアイドルの衣装として指輪を用意されたことは何度もある。
だが、指輪の側面に刻まれた『P to M』の文字がそれが衣装ではないことを言外に語っていた。
小箱を持ったまま、まゆが固まる。
やがて、まゆは無言のままそれを自らの左手薬指に通した。
その返事を受けて、今まで黙って見守っていたプロデューサーが再び口を開く。
「……2つめはまだ待っていてほしい。
これが、今の俺の、精一杯のまゆに対する気持ちだ。
……その、こういうのは値段じゃないと分かってるし色々候補はあった。
でも、どうせなら……ダイヤモンド(それ)がまゆには似合うかなって」
他にも、愛を象徴する宝石は少なくない。オパール、ペリドット、サファイアなど。
選択肢はいくらでもあった。……だが、プロデューサーは迷うことなく心に決めていた。
ダイヤモンドの宝石言葉"永遠の愛"。
他を圧倒する重みが、そこにはあった。
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