ウサミン星人のいない地球は
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18: ◆8ozqV8dCI2[saga]
2017/09/18(月) 22:52:41.77 ID:n8F8dLyB0
キラキラのステージ、オシャレな衣装、響く歌声、鳴り止まぬ歓声。

すべてのウサミン星人が知らない、感情の力がそこには溢れていた。

初めて見たアイドルの衝撃はすさまじく、菜々はどうにかあの場に溢れていた力をウサミン星の目的に利用できないかと考える日々を過ごし、考えるうちにウサミン星とは関係なしにただアイドルになりたいと願うようになっていた。
以下略 AAS



19: ◆8ozqV8dCI2[saga]
2017/09/18(月) 22:53:29.45 ID:n8F8dLyB0
ウサミン式記録消去装置。

星の調査に向かうウサミン星人に配備される、ウサミン星の技術力の結晶である。

調査前にこの装置を起動させておき、調査終了時にボタンを押せば、その星から対象のウサミン星人がいたという記録がすべて消去される。
以下略 AAS



20: ◆8ozqV8dCI2[saga]
2017/09/18(月) 22:54:18.21 ID:n8F8dLyB0
全力で挑んだライブの映像も、涙をこらえてレコーディングしたCDも、今ではもう地球には存在しない。

共に歩んだ仲間達、応援してくれたファン、スカウトしてくれた彼の中にも私はもう存在しない。

菜々の手で消してしまった。
以下略 AAS



21: ◆8ozqV8dCI2[saga]
2017/09/18(月) 22:54:46.52 ID:n8F8dLyB0
まずは自宅。

部屋を出て、今まで拠点としていたアパートを眺める。

入居当初は知らなかったけれど、どうやらこのアパートは地球人基準からしても古くてボロい場所だったらしい。
以下略 AAS



22: ◆8ozqV8dCI2[saga]
2017/09/18(月) 22:55:20.73 ID:n8F8dLyB0
次は事務所。

といっても、遠くから眺めるだけ。

本当はもう少しそばに行きたかったけど、誰かの顔を見たらきっとその場で菜々は泣いてしまう。
以下略 AAS



23: ◆8ozqV8dCI2[saga]
2017/09/18(月) 22:55:52.99 ID:n8F8dLyB0
初めてライブをした会場。

会場といっても、ショッピングモールの会場だけど菜々にとっては晴れの舞台だ。

今日はアイドルのライブはやっていないようで、地元特産品のフェアなどをやっている。
以下略 AAS



24: ◆8ozqV8dCI2[saga]
2017/09/18(月) 22:56:23.94 ID:n8F8dLyB0
サイン会の会場、テレビ局、撮影に使ったスタジオ。

他にも時間が許すかぎり見て回った。

そして最後に、菜々は始まりの場所にきた。
以下略 AAS



25: ◆8ozqV8dCI2[saga]
2017/09/18(月) 22:57:22.05 ID:n8F8dLyB0
「よかった。今日は誰もいないみたいですね」

事前に調べた通り、今日は定休日で誰もいない。

ベテランの従業員しか知らない裏技で鍵を開けて、菜々は中に入る。
以下略 AAS



26: ◆8ozqV8dCI2[saga]
2017/09/18(月) 22:58:05.92 ID:n8F8dLyB0
「ぷ、プロ……んん!」

思わず呼びかけそうになったのを、すんでのところで止めた。

彼が憶えているはずがない。
以下略 AAS



27: ◆8ozqV8dCI2[saga]
2017/09/18(月) 22:58:45.43 ID:n8F8dLyB0
「おいこら、笑ってないで説明しろ。いったいどういうことなんだ。なんで皆が菜々のこと忘れてたんだ」

しかし反対に怒っているらしいプロデューサーの声で、菜々はそれどころじゃないと気付く。

「そ、そうですよ!なんで菜々のこと思い出してるんですか!?ウサミン式記録消去装置で地球上の生物の記憶を含めて、この世から菜々が地球にいた痕跡は消えたはずなのに!」
以下略 AAS



28: ◆8ozqV8dCI2[saga]
2017/09/18(月) 22:59:31.09 ID:n8F8dLyB0
遡ること数時間。

朝から抱いていた違和感について芳乃について相談しようとしたプロデューサーが、幸子の叫び声を聞いて休憩室に向かった時のこと。

休憩室では異常事態が起きていた。
以下略 AAS



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