【ミリマス】君のその指にリースをはめて
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16: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2017/10/05(木) 20:11:51.77 ID:TzvX0Up20

「プロデューサー」

「ん、なに?」

「これ、今ココでつけてみてもいいですか?」

「あ……ああいいよ! ぜひ琴葉の感想も聞きたいしな!」

四角い箱の台座から、琴葉が指輪を手に取った。
空っぽになった入れ物は、俺が邪魔にならないように受け取って。

それから琴葉は迷うことなく、指輪を左手の薬指に通したんだ。

そうして左手をこちらに向けて、無言ではにかむものだから。
こっちも苦し紛れの微笑みを、彼女に返すしか術もなく。

「……ど、どうでしょう?」

「うん、その……似合ってるよ!」

「そうですか? ……なんだか少し、照れ臭いですね、こういうの」

もしもし琴葉、こっち向け? そこで視線を逸らされると、物凄く俺も気まずいんだ。
なんていうか、ただプレゼントしてるだけのハズなのに、それ以上の深い意味が育ち始めているようで……。

いやいやいやいやだからこそ、俺はここで一言ガツンと言わねばならぬのだ!
琴葉が道を踏み外す前に、照れてる彼女に近づいて百年の恋も冷めるような歯の浮く台詞をぶちかますっ!!

「でもこては――」
「えっ?」

「いや琴葉……すまん、ちょっと噛んじまって」

「……ふふっ、落ち着いてくださいプロデューサー。……なんですか?」

優しく発言を促される、俺は小学生かってーのっ!
ああ畜生、穴があったら恥ずかしい……。

だが、だがだ! 恥はかき捨て熱さは喉元、鉄は熱いうちに打てと言う!

「琴葉――俺の正直な感想を聞いてくれ」

「……はい」

「確かに指輪は似合ってるが……君の宝石みたいな涙の方が、アクセサリーとしては素敵だよ」



…………よし言った、言ってやった!
スカした態度の男みたく、歯の浮く台詞をぶちかました! 

引け〜、退くんだ田中琴葉!
恋に浮ついたその瞳を、ゴミを見下す瞳に変えるんだ!!

「はぁっ……!」

なのに……なのにどうしてなんだよ琴葉ぁ〜!?

どうして君は顔を伏せて、屋上の欄干に寄りかかる? 
今の結構キツかったよ? 自分で言っててなんだけど、だいぶ心折れているからね?


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