龍殺しの傭兵と復讐の少女-SS速報VIP

龍殺しの傭兵と復讐の少女

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1:名無しNIPPER[saga]
2017/10/10(火) 02:37:34.63 ID:l6iS7bNJo
中二病全開でいく予定

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2:名無しNIPPER[saga]
2017/10/10(火) 02:39:12.00 ID:l6iS7bNJo
今となってはもう昔のお話。それはもう五十年ほど前のお話。
この大陸にまだ五つの王国が存在していた。

五人の王様は五人とも悪い王様だった。
五つの国は常に反目しあい、ずっとずっと戦争を続けてきていた。

3:名無しNIPPER[saga]
2017/10/10(火) 02:39:47.34 ID:l6iS7bNJo
悪い王様がいなくなって、ようやく長い長い戦争が終わってみんな喜んだ。

喜んだけれど、突然国の一番偉い人がいなくなってみんな困ってしまったんだ。
そのとき、兵隊さんの一人がこういったんだ。
「みんなで次の王様を決めるまで、自分がみんなを導こう」とね。

4:名無しNIPPER[saga]
2017/10/10(火) 02:40:21.91 ID:l6iS7bNJo
王都の中心には豪奢な城が城下を見下ろすがごとくそびえ立っている。
城門へと続く大通りには多くの露店や商人が店を構え、活気に満ちていた。
大通りを行き交う人々もまた、笑顔を浮かべ王都の暮らしを謳歌していた。

だが、大通りを一本はずれた薄暗い裏路地に足を向ければ、そこもまた王都の現実だった。

5:名無しNIPPER[saga]
2017/10/10(火) 02:41:13.27 ID:l6iS7bNJo
その薄暗い裏路地をさらに奥へ行った先。
一軒の酒場で昼から入り浸っている男がいた。

埃っぽい空気と陰気な雰囲気。
昼間だというのに薄暗く店内に客はカウンターに座るその男一人しかいない。

6:名無しNIPPER[saga]
2017/10/10(火) 02:42:15.55 ID:l6iS7bNJo
無愛想なマスターの言を、飄々と受け流す男。

この国では珍しい黒い髪色。
邪魔にならなければいいというだけの適当な短髪に、装飾品を全く身につけないしゃれっ気のなさ。
ただ一つ特徴があるとすれば、腰に携えた直剣だけだろう。

7:名無しNIPPER[saga]
2017/10/10(火) 02:43:15.34 ID:l6iS7bNJo
ぼりぼりと頭を掻きながら愚痴をこぼす。

「やめんのかい？　なら片付けちまうぜ」

そのとき、キィと木製のドアが軋む来客を知らせる音が響いた。

8:名無しNIPPER[saga]
2017/10/10(火) 02:44:17.50 ID:l6iS7bNJo
「おいおい、帰れって言ったのが分からなかったのかい。
　お嬢ちゃんにはミルクだって出す気はないぞ」

少女はマスターの顔を無言のまま睨み付け、
持っていたバッグをどかりとカウンターへ叩き付けるように置いた。

9:名無しNIPPER[saga]
2017/10/10(火) 02:44:59.71 ID:l6iS7bNJo
「ねえ、名前を書かないとダメなの？」

「匿名希望ならそれはそれで構わねえが、経験上依頼が受諾されることは少ねぇな」

「そう、なの」

10:名無しNIPPER[saga]
2017/10/10(火) 02:45:46.12 ID:l6iS7bNJo
少女はバッグをそのままマスターに預けようとした。
その行動にマスターは眼を瞠りつつも、押し返した。

「信頼してもらえるのはありがてぇが、そういうワケには」

11:名無しNIPPER[saga]
2017/10/10(火) 02:46:30.40 ID:l6iS7bNJo
しかし、その承諾の言葉と裏腹に少女は席から動こうとしない。

「お嬢ちゃんどうしたんだい？　もう手続きはないぜ？」

「待ってるわ」

12:名無しNIPPER[saga]
2017/10/10(火) 02:47:17.95 ID:l6iS7bNJo
マスターが先ほど少女が書いた羊皮紙を傭兵の目の前に広げて置いた。

傭兵が羊皮紙に目を通す。
そこに書かれていた依頼は、とある人物の捜索だった。

13:名無しNIPPER[saga]
2017/10/10(火) 02:47:54.47 ID:l6iS7bNJo
「……だってここは、個人的な殺しは請け負ってもらえないんでしょう？」

「傭兵は確かに戦争屋だが、殺し屋じゃないからな」

「なら、見つけてさえもらえば。見つけてさえもらえば、私が殺す」

14:名無しNIPPER[saga]
2017/10/10(火) 02:48:33.16 ID:l6iS7bNJo
「とにかく、私はここで待たせてもらうわ」

「はあ、強情だな。アンタも」

「……」

15:名無しNIPPER[saga]
2017/10/10(火) 02:49:28.29 ID:l6iS7bNJo
「お嬢ちゃん。安心しな。コイツはウチに出入りしている傭兵の中で一番腕がたつ。
　単独で飛龍を狩った奴なんざ後にも先にもコイツ一人だけ。
　龍殺しの異名を持つ傭兵さ」

「あ、マスター、てめ。余計なこと言わなくていいんだよ」

16:名無しNIPPER[saga]
2017/10/10(火) 02:49:59.21 ID:l6iS7bNJo
こんな感じでやっていきます

17:名無しNIPPER[sage]
2017/10/10(火) 03:45:46.45 ID:iOYE1RXtO
ふむふむ

18:名無しNIPPER[sage]
2017/10/10(火) 10:22:02.55 ID:d6z5vCnh0
なるほど

19:名無しNIPPER[sage]
2017/11/05(日) 02:06:49.74 ID:yCsrEVxvo
まだかな？

20:名無しNIPPER[saga]
2017/11/05(日) 16:52:57.58 ID:nHpr0Kyu0
傭兵は一気にミルクを飲み干すと、おもむろに立ち上がった。

「マスター、奥の部屋借りるぜ」

「あいよ」

21:名無しNIPPER[saga]
2017/11/05(日) 16:55:09.89 ID:nHpr0Kyu0
「隠し扉……！」

「ま、きな臭い場所だからな。こういう仕掛けはあるもんさ」

隠し扉を通り、しばらく歩くと小部屋に辿り着いた。

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