モバP「アイドル達の顔が見えなくなった」
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11: ◆gCuQ8nrQVD7k[saga]
2017/10/12(木) 23:09:09.61 ID:MeJAY4k9o
…………

1年後

アナウンサー『今年度最も活躍した女優には、アイドルの鷺沢文香さんが選出され……』

新聞記事『前人未到! CD売上枚数連続首位獲得記録個人「鷺沢文香」……』

P(最早あの時の自分には、あの会社でプロデューサーを続けることなど不可能だった)

P(彼女たちをプロデュースしたところで、ステージの上で輝く笑顔も、懸命に取り組む真剣な表情も、見ることができないのだ……)

P(しかし、プロデューサー自体は辞めなかった)

P(社長、それとちひろさんとの話し合いの末、今までの功績を認められ、特例措置としてアイドル一人と同じく別の芸能会社へ移籍することになった)

P(選んだのは言うまでもなく文香だった。断ってもいいと言ったが、文香は快諾してくれた)

P(今まで数多くのアイドルを担当していたところから、一人のみを担当することになったのだ。当然それなりに成果をあげられると踏んでいたが……)

P(結果は予想以上だった。彼女は瞬く間に成長し、今では国民誰もが知っていると言っても過言ではないアイドルになった)

P(前の会社を辞める時、最後までアイドル達には辞めるとは伝えなかった。後ろめたさではなく、その頃には彼女達との会話が恐怖となっていたのだ)

P(その後どうなったかは知らないが、辞めてからしばらくは、住居を転々とする必要があった。マネキン達が、家の前で待ち構えていたり、ポストに手紙が何通も投函されているのだ……)

「○○さん?」

P「……?」

文香「あ、ごめんなさい……邪魔になってしまいましたか……?」

P「いや、少しボーッとしていただけだよ」

文香「そうですか……あの……」

P「……どうした?」

文香「今日も、○○さんのお部屋にお邪魔しても……」

P「……もちろん」

P(彼女の青い瞳は、今日も人形のように透き通っている)

 おわり



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