相葉夕美「私が私でいるための」
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1: ◆m5V2DnGtwU[saga]
2017/11/09(木) 06:51:48.26 ID:CvWj6cmz0
時刻は午前9時半。柔らかな秋の光がカーテンの隙間から覗く自室で、私は布団にくるまったまま、今日はこれから何をしようかあれやこれやと思案に暮れていた。

     ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

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2: ◆m5V2DnGtwU[saga]
2017/11/09(木) 06:55:58.37 ID:CvWj6cmz0
アイドルマスターシンデレラガールズ「相葉夕美」のSSとなります。

「lilac time」実装おめでとうございます。いち夕美Pとしてずっと楽しみにしていました。



3: ◆m5V2DnGtwU[saga]
2017/11/09(木) 07:00:12.36 ID:CvWj6cmz0
時は昨日の夕方に遡る。収録を終え、明日――つまりは今日の予定を確認しそびれていた私は、それを確認するために事務所へ足を運んでいた。

その旨をプロデューサーさんに伝えると、目を丸くしたあと、いたずらをする少年のような目をして言った。

「少し前に、次の日曜日はオフにするって言わなかったか?最近あまり休みが取れてないから、しっかり体を休めてくれって。」
以下略 AAS



4: ◆m5V2DnGtwU[saga]
2017/11/09(木) 07:07:12.79 ID:CvWj6cmz0

時は進んで今朝の午前9時。ふと目を覚ました私は、沈黙を続ける目覚まし時計の示す時刻を見て唖然とした。

その後の私の行動は手に取るように分かるだろう。忙しい日が続いた後の休日の寝起きにありがちな「何で目覚まし鳴らないのっ!?遅刻しちゃう!!」現象である。今思い返すと何だか悔しい。

以下略 AAS



5: ◆m5V2DnGtwU[saga]
2017/11/09(木) 07:18:57.36 ID:CvWj6cmz0

夕美 「――あっ、このつぼみ、だいぶ膨らんできたなぁ...。そろそろ綺麗なお花が咲くかも。こっちのお花は...うん、元気そうっ♪よしよし♪」

P 「キレイなお花ですね。このお花、あなたが?」

以下略 AAS



6: ◆m5V2DnGtwU[saga]
2017/11/09(木) 07:20:47.48 ID:CvWj6cmz0

夕美 「――なんだか、たくさんお話しちゃって、すみませんっ。普段ひとりで育てているから、お花についてお話できるのがうれしくって!」

P「いえいえ、こちらこそ楽しかったですよ。本当にお花がお好きなんですね。」

以下略 AAS



7: ◆m5V2DnGtwU[saga]
2017/11/09(木) 07:23:30.53 ID:CvWj6cmz0

しばらくの間そのまま物思いにふけっていたが、ベッド脇の目覚まし時計の分針がもう半回転したあたりで、段々と外の空気が恋しくなってきた。
私はようやく布団から抜け出して、ベランダへ出ることにした。


以下略 AAS



8: ◆m5V2DnGtwU[saga]
2017/11/09(木) 07:26:31.62 ID:CvWj6cmz0

集中していると時間は早く過ぎるもので、一通り作業が終わって時計を見ると午後0時を示していた。

特にこれ以上やることが思いつかない私は、街中の時間がゆっくり進んでいるように錯覚してしまいそうなほど、のんびりとしたひとときを過ごしていた。

以下略 AAS



9: ◆m5V2DnGtwU[saga]
2017/11/09(木) 07:29:09.69 ID:CvWj6cmz0

「それでは、そろそろ曲紹介といこうか。ボクもこの曲は好きだよ。レゾンデートル――ボクの存在意義を求めて思考の海に沈んでしまい、自力では抜け出せなくなった時に聴くんだ。不思議とそんなものちっぽけな事に感じてしまうよ。」

ホコリが少しかぶったそれを引っ張り出してきて、電源がつくか半信半疑ながらに電源ボタンを押した。すると、ザザッ、ザザッというノイズの後に、よく耳馴染みのある声がラジオから聞こえてきた。そういえば飛鳥ちゃん、ラジオのパーソナリティーの仕事が来たって喜んでたっけ。

以下略 AAS



10: ◆m5V2DnGtwU[sage saga]
2017/11/09(木) 07:32:27.74 ID:CvWj6cmz0
一旦休憩。
この後もこんな調子でだらだら進めていきます。
一応完結はしてるので、今日中には最後まで投下しきれると思います。


11: ◆m5V2DnGtwU[saga]
2017/11/09(木) 13:38:35.67 ID:nq6xVQ2U0

「聴いて頂いたのは、相葉夕美で『lilac time』でした。休日の昼間にはピッタリの曲だったんじゃないかな?」


私は嬉しさと恥ずかしさ、懐かしさの混ざったような何とも言いがたい気持ちで自分の持ち歌を聞いていた。
以下略 AAS



12: ◆m5V2DnGtwU[saga]
2017/11/09(木) 13:42:27.76 ID:nq6xVQ2U0

その気になった夕美の行動は速い。いつもはにこにこふわふわだけど、何かの拍子に走り出すと止まらない――そう形容される彼女の性格だが、今回も例外なくそれを発揮していた。


「あぁ、彼女の“アレ”の事かい...?普段はとても頼れる優しいお姉さんみたいな感じなんだけど、暴走?はし?りだすと止まらなくてね...。聴いてくれるかい?今年の彼女のバースデーライブで、誕生花について語り出した時なんかは――」
以下略 AAS



13: ◆m5V2DnGtwU[saga]
2017/11/09(木) 13:49:37.83 ID:nq6xVQ2U0

あれこれと外出の準備をしていると、お腹が力なくきゅーっと情けない音を発した。それを聞いて、私はようやく自身の空腹を自覚した。考えてみれば朝から何も口にしていなかった。

いつもなら簡単に何か作るんだけど、今は何だかそんな気分じゃない。リコッタパンケーキ、である。少し前の哀愁じみた感情はどこへやら。

以下略 AAS



14: ◆m5V2DnGtwU[saga]
2017/11/09(木) 13:59:16.25 ID:nq6xVQ2U0

ガタンゴトンと軽快な音を発しながら、夕美の乗る電車は雲一つない青空の下、街の中を進んでいた。以前に下調べを済ませていた店へと向かっている最中であった。

偶然にもそれが、飛鳥がラジオで話していた店である事をまだ夕美は知らない。

以下略 AAS



15: ◆m5V2DnGtwU[saga]
2017/11/09(木) 14:01:36.11 ID:nq6xVQ2U0

目的地の最寄り駅に着いて電車を降りる間際、私より少し年下くらいの女の子に「夕美さんですよね?いつも応援してますっ。」と、さり気なく声を掛けられた。

以前プロデューサーさんに指摘されたから、今日はわりとしっかり変装してるつもりだったけど、これでも分かっちゃうものなのかな?

以下略 AAS



16: ◆m5V2DnGtwU[saga]
2017/11/09(木) 14:11:16.08 ID:nq6xVQ2U0

駅から数分歩いて橋のたもとに差し掛かった頃、ようやく目的地の建物が見えてきた。私はまるでスキップでもするかのような軽やかな足取りで、その建物へだんだんと近づいていった。


お店の前に着いた時には、時刻は既に午後4時を回っていた。
以下略 AAS



17: ◆m5V2DnGtwU[saga]
2017/11/09(木) 14:27:44.32 ID:NNKC7f8n0

注文してから数分後、バターの香ばしい香りとふんわりとした甘い香りと共に、ようやく待望のリコッタパンケーキが姿を表した。

お皿の上には三段重ねのふんわりとした分厚いパンケーキ、それぞれの上にちょこんと乗せられたバター、縦にカットされた少し小さめのバナナ。サイドには備え付けのメープルシロップ。

以下略 AAS



18: ◆m5V2DnGtwU[saga]
2017/11/09(木) 14:30:33.01 ID:NNKC7f8n0
(リコッタパンケーキのイメージ画像だよ)
https://i.imgur.com/bpEQQHN.jpg


19: ◆m5V2DnGtwU[saga]
2017/11/09(木) 14:33:56.46 ID:NNKC7f8n0

想像と少しばかり違う。いやかなり違う。もっとこう、なんていうのかな、かわいらしいものを想像してたんだけどなぁ。いやまぁビジュアル的にはかわいらしいんだけどね?うーん、カロリー的にはちょっとかわいくないかなぁ...。

――頼んじゃったものはしょうがない。明日のレッスン、プロデューサーさんにお願いして少し増やしてもらわないとっ。

以下略 AAS



20: ◆m5V2DnGtwU[saga]
2017/11/09(木) 14:39:24.20 ID:NNKC7f8n0

さながらセレブにでもなったかのような気分を楽しみながら食べ進めていると、あっという間にひと皿をぺろっと平らげてしまった。リコッタパンケーキ、恐るべし。今度また誰かと一緒に来たいなっ。

     ◇ ◇ ◇ ◇ ◇



21: ◆m5V2DnGtwU[sage saga]
2017/11/09(木) 14:50:52.31 ID:NNKC7f8n0
残りのあと少しは夜に投下します。
マイペースで申し訳ないです。
イメージ画像が貼れてるか怪しいので、再度貼り直しておきます。


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