安部菜々「カーテンコール」
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12: ◆cgcCmk1QIM[saga]
2017/11/10(金) 12:17:34.23 ID:x4RVEtCJ0

菜々「スカートと袖は大きく膨らんで欲しかったのでプラスチックのボーンが入れてあります。照明に輝くようにスパンコールを沢山つけて、構造上許される限り光沢素材を使いました。回転しながら全身一度に変わって、照明を浴びてあちこちが光るから―――どうやって変わったのか解らない。ぱっと見には『変身』したようにしか見えなかったでしょうね」

ほたる「凄い―――え、菜々さん?」

菜々「あとではあとちゃんにお礼言わないといけません―――どうしました?」

ほたる「菜々さんは、朝もこの服を着ていましたよね?」

菜々「ええ、そうですよ?」

ほたる「折りたたまれた布地で。あちこちワイヤーで留めてあって…ずっとそんな仕込み衣装を着て…?」

菜々「いやー、正直苦しかったです。ご飯も食べられないしトイレは大変だし、あはは」

ほたる「どうして、そこまで…」

菜々「どうしてって…朝会ったときと今で服が違ったら、不自然だから…」

ほたる「……衣装、苦しかったはずです。準備も、大変で…たった一度の、この変身のために、どうして?」

菜々「…ほたるちゃんは、お芝居を見に行ったことがありますか?」

ほたる「えっ?」

菜々「ナナは、カーテンコールがあまり好きじゃありませんでした。悲劇に倒れた人も、すごく悪かった人も、並んで笑って―――ただの人になっちゃう」

ほたる「菜々さん…」

菜々「―――あの瞬間、夢から無理に覚めさせられるみたいで。寂しかったのを覚えています」



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