八幡「想いで」
1- 20
15:名無しNIPPER
2017/11/16(木) 21:07:43.62 ID:5fkFdj7q0


「水面、見てみろよ。目を凝らさないとわかんないかもしれないけどな」

 雪ノ下と思しき影に、呼びかける
以下略 AAS



16:名無しNIPPER
2017/11/16(木) 21:09:11.99 ID:5fkFdj7q0

「えーっとな」

そして俺は語り始める。ここに来た一番の理由を。

以下略 AAS



17:名無しNIPPER
2017/11/16(木) 21:09:55.21 ID:5fkFdj7q0


覚えている。沈みかけた夕日に照らされたその少女は、駆け上がってきた俺に向かってこう言ったのだ。

『君も苦しいの?』と。
以下略 AAS



18:名無しNIPPER
2017/11/16(木) 21:10:39.70 ID:5fkFdj7q0

涙と汗でグシャグシャになり、ただでさえ腐った目(まだ当時はそこまで腐っていなかったのかもしれない)がもっと見られないような状況になっていたのにも関わらず、だ。
自暴自棄になっていた俺は、その子に全てを話した。別に前から彼女の事を知っていたわけではない。初対面でしかも見るからにボロボロだった俺の、叫ぶような一方的な訴えを、彼女は黙って聞いてくれた。逃げたりはしなかった。

とても、優しかった。
以下略 AAS



19:名無しNIPPER
2017/11/16(木) 21:11:27.07 ID:5fkFdj7q0

「この電灯が、時間になると消えてしまうってものさ、その子に教えてもらったんだ」

話している最中、いきなり消えた電球に怯える俺を、彼女はそっと抱きしめてくれた。耳元で囁かれた言葉が忘れられない。

以下略 AAS



20:名無しNIPPER
2017/11/16(木) 21:11:58.38 ID:5fkFdj7q0


『暗いところだとね、星が良く見えるでしょ?』

『君は今、暗いところにいるかもしれないけれど、でも、だからこそ、ほんの僅かな星の光だって、他の誰にも見えない光だって、君は見つけてあげられるんだと思うんだ』
以下略 AAS



21:名無しNIPPER
2017/11/16(木) 21:22:48.92 ID:5fkFdj7q0

今なら、その言葉の意味も分かる。あの頃、自分とそこまで年の変わらなかった少女が、こんな言葉を吐いたのかという驚きも、今になって漸く実感する。
誰かが吐いた言葉が、時間が過ぎ去った後になって、違う側面を見せてくるということは、よくあることだ。それは自分が成長した証だと言えるのだろうか。
それとも、ねじ曲がってしまった証拠となるのだろうか。巧妙な皮肉、遠回しな罵倒、そして、さりげない優しさ。俺は今までどれだけの物を見落としてきたのだろう。どれだけの感情から、目を背けてきたのだろうか。そんなことを思う。


22:名無しNIPPER
2017/11/16(木) 21:26:29.51 ID:5fkFdj7q0

でもその時の俺は。

何も見えていなかった俺は。

以下略 AAS



23:名無しNIPPER
2017/11/16(木) 21:28:50.98 ID:5fkFdj7q0

だから俺は―――――――

「俺は、その子にひどいことを言っちまったんだよな」

以下略 AAS



24:名無しNIPPER
2017/11/16(木) 21:30:00.48 ID:5fkFdj7q0



『こんな思いをするくらいなら!!そんなの見つけられなくたっていい!!』 

以下略 AAS



25:名無しNIPPER
2017/11/16(木) 21:38:48.83 ID:5fkFdj7q0

「…………」

「で、まあ、飛び出して帰っちまったわけだ」

以下略 AAS



55Res/22.20 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice