勇者「ニートになりたい」
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2:名無しNIPPER[saga]
2018/01/09(火) 12:17:59.61 ID:J1t1zDf6O
【勇者宅 居間】

父上「シャオラッ! シャオラッ!」ブン ブン

勇者「母上。つかぬことを聞きますが父上は居間でなぜに斧をふりましておられるので?」

母上「ご近所の武器屋さんから頂いたみたいねぇ。勇者のめでたい旅立ちを祝してってぇ〜」

父上「おっ! 起きたか! まったく、旅立ちの日にまで朝寝坊するとは肝っ玉の据わったやつだ! さすが俺の息子!」

勇者「(引きこもりたかっただけなんだけど)」

父上「ガハハハッ!」キラン

勇者「(正直に言ったら斧で一刀両断されそうな気がする)」

母上「貴方もそれぐらいにしてぇ〜。今日は家族揃って最後の朝食になるかもしれないんだからぁ」

勇者「不吉なこと言わないでくれる⁉︎」

父上「そうだな……。勇者、立派になって。俺は、俺はっ、ぐすっ」

勇者「ち、父上。泣いてるの? そんな、俺なんかまだまだ」

父上「さ、飯でも食うか」ケロッ

勇者「あー、そうですか。あんたらマイペースだったわ」

父上「ところで勇者。伝えわすれていたが、お前今日からこの家出入り禁止な」

勇者「はぁっ⁉︎ なんで⁉︎」

父上「魔王倒したら入っていいぞ」

勇者「俺の家だろーが!」

父上「おい、テメェ誰に口きいてやがる」ポキポキ

勇者「僕の家です、はい」

父上「早い話が王様に親権を譲った。今日からお前は王様の子」

母上「私たちも涙をのんでぇ〜。だって、勇者がそうすれば王族になれるしぃ」

勇者「そんな……」

父上「そして、俺たちも王様に恩を売ってがっぽり、ごほん」

母上「あなたぁ、今度ここの温泉に行きたいわぁ」

勇者「それでいいのかよ!」

父上「……」

勇者「俺を育ててくれたんだろ⁉︎ 俺を生んでくれたんだろ⁉︎ そりゃ親孝行はしてないかもしれないけど」

母上「勇者……」

勇者「父さん、母さん……」

父上「いい」キッパリ

勇者「……っ!」プルプル

父上「いずれお前も大人になる。そうなったら嫁ができ、家庭を持ち、自分の子を持つだろう。そうなった時に、俺の気持ちがわかる。お前のためなんだ」

勇者「……俺の、ため」


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