5:名無しNIPPER[saga]
2018/01/09(火) 15:39:56.86 ID:TqZDSh6WO
【王城 謁見の間】
王様「ワシが王様でアル」
勇者「はい」
王様「……え? そんだけ?」
勇者「はい?」
王様「もっと、ははーっとか、本日はご機嫌麗しゅうとかないの?」
勇者「子供の頃から知ってるじゃないですか」
王様「あ、そう。……うぉっほんっ、勇者よ! よくぞまいった!」
勇者「(やりたいのね)」
王様「此度の日をどれだけ待ち望んだことか! まずは18の誕生日、おめでとう。祝福するぞよ」
勇者「ありがたき幸せ」ペコ
王様「うむ。と、同時に女神様のお告げどおりの旅立ちの日でもある」
勇者「……」
王様「お主にはこの世界を魔王の脅威から救ってもらわなきゃならん。引き受けてくれるな? 勇者よ」
勇者「いや」
王様「まさかイヤなどとは言うまいて。まさかのぅ」
勇者「あの、ちなみに断ったらどうなるんです?」
王様「税金」ボソ
勇者「え?」
王様「実はの、お主の家だけは税を特別免除しいて、尚且つ、毎月お金を振り込んでいた。勇者という理由での。断れば今までの分を請求する」
勇者「そ、そんな話はじめて聞きました」
王様「まぁ家計事情なんて子供には普通話さんじゃろ」
勇者「(父さんがロクに仕事もせずに毎日過ごせてたのはそういうことか……! クソ親父め!」
王様「ちなみにじゃが、ワシも養子縁組したのは聞いとる?」
勇者「あ、それは今朝」
王様「うむうむ。よって、請求は親にではなく勇者本人にいくことになる」
勇者「なんでだよ!」
王様「だって、実の親とは赤の他人じゃもん。わしも肩代わりするつもりないし。無能の」
勇者「無能って言うな! あの、ちなみに請求っておいくらまん?」
王様「ざっと軽く見積もって300万ゴールドってとこかの」
勇者「さ、さ、さ、さ、さんひゃくっ⁉︎」
王様「18までずっと支給しておったんじゃ。当たり前じゃろ」
勇者「買ってもらったおもちゃといえば竹とんぼだけなのに」
王様「それは1ゴールドじゃの」
勇者「あの、分割とかはもちろんできるんですよね?」
王様「ならん。一括で返納してもらう」
勇者「一括で⁉︎ 無理に決まってる!」
王様「それならば、そうじゃな。やっぱり魔王退治にいってもらうしかないの」
勇者「め、めちゃくちゃや。こんなの」ガックシ
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