【モバマス】みく「バースデーライブ」
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10:名無しNIPPER[sage saga]
2018/02/22(木) 08:46:56.75 ID:gJQnAjCL0
 ピックを握って止まった私を菜々ちゃんが覗き込んできて、「あら」と言った。
「本当に寄ってきたんですね、あの人たち……」
「え?」と私は問い返した。菜々ちゃんは「あ゛」と声を漏らして固まった。
「……どういうこと?」
 絞り出した声は震えている。怒っているような声音で自分でもビックリした。嬉しいからだと気付くまでに少しかかった。
 菜々ちゃんは観念したように白状した。
「……実は、お二人から、サプライズで番組前に寄っていくからみくちゃんを会場内に留めておくようにって、連絡があったんです。どっちみち私は何もできなかったんですけどね」
 そこで菜々ちゃんはため息をついた。「『そんなタイミングで来て、番組に支障が出たらどうするんですか!?』って言ったんですけどね……。コレがあるっていうことは、お二人はやっぱりココまで来たってことです」
 バカじゃないの。思っていたよりもひどい言葉が、口をついて出た。だけどその言葉は掠れていた。なんでだろう。
 改めてピックを見つめる。コレはきっと、世界で一つだけの、ギターを弾くわけでもないみくのためのピックだ。実用性は猫じゃらしの方があるだろう。それくらい、プレゼントには適していない。それなのに、そのはずなのに、なぜか目に熱いものがこみ上げてきた。スポットライトを浴びているわけでもないのに、楽屋が眩しく感じられた。


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