ゆき「私ね、めぐねえみたいになりたい」【がっこうぐらし】
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1:名無しNIPPER[sage saga]
2018/03/23(金) 01:57:45.99 ID:pUM65r/L0
がっこうぐらし!のSSを今さら書きます。

佐倉 慈に優しい世界が足りないと思ったので、彼女が生きている世界です。

ゾンビは出ませんが、解釈違いおばけが出てしまうかもしれないのでご注意ください。

SSWiki : ss.vip2ch.com



2:名無しNIPPER[sage saga]
2018/03/23(金) 01:59:37.96 ID:pUM65r/L0
「困るんですよ、佐倉先生」

 職員会議の終わり、静まった職員室に、冷たく声が響いた。

 どこか痛い視線が背筋に伝わる。
以下略 AAS



3:名無しNIPPER[sage saga]
2018/03/23(金) 02:01:02.26 ID:pUM65r/L0
学校は好きだ。


そう言うと変に思われるかもしれない。

以下略 AAS



4:名無しNIPPER[sage saga]
2018/03/23(金) 02:03:03.67 ID:pUM65r/L0
そう思っていた。だから教師になった。


しかし、学生と先生では話が違う。

以下略 AAS



5:名無しNIPPER[sage saga]
2018/03/23(金) 02:04:26.73 ID:pUM65r/L0
私は佐倉 慈。

ここ私立巡ヶ丘学院高校の国語教師だ。

生徒たちからはめぐねえの愛称で親しまれている、と思う。
以下略 AAS



6:名無しNIPPER[sage saga]
2018/03/23(金) 02:07:06.42 ID:pUM65r/L0

「めぐねえ」


それはまだ入って間もない頃に、不意に生徒から呼ばれたのがきっかけだった。
以下略 AAS



7:名無しNIPPER[sage saga]
2018/03/23(金) 02:08:37.38 ID:pUM65r/L0
「あっ、めぐねえおはよー」

「おはようございます。あと、めぐねえじゃなくてね……」

「サクラ先生、でしょ」
以下略 AAS



8:名無しNIPPER[sage saga]
2018/03/23(金) 02:10:35.94 ID:pUM65r/L0
しかし、通りすがりの別の学年の子にさえ知れ渡っているこの名前は、上の人達からは好まれていないらしい。

なんでも同年代の友人のような距離感は、教師と学生の関係として望ましくないとか。


以下略 AAS



9:名無しNIPPER[sage saga]
2018/03/23(金) 02:12:02.95 ID:pUM65r/L0
「あの、めぐねえ、遅刻してない?」

「えっ、あ、ありがとう祠堂さん!」

「じゃあねー」
以下略 AAS



10:名無しNIPPER[sage saga]
2018/03/23(金) 02:13:19.75 ID:pUM65r/L0
その後、結局ホームルームに遅れてしまい、みんなには散々弄られてしまった。

めぐねえしっかりしなよ。
そう生徒にまで言われてしまったのは、流石に少し凹んだ。

以下略 AAS



11:名無しNIPPER[sage saga]
2018/03/23(金) 02:14:13.53 ID:pUM65r/L0
それから一日は、時間ごとにクラスを変えて国語の授業。

最近少しは慣れてきた教壇に立って、学校指定の進行とクラスの理解度を照らし合わせてどうにか作った計画に合わせ、今日の授業を進める。



12:名無しNIPPER[sage saga]
2018/03/23(金) 02:15:44.64 ID:pUM65r/L0
深呼吸を一つ。

今朝は大失敗をしてしまったけど、授業は気を引き締めていれば大丈夫だ。

頼れる先生として、いつも通り、みんなに分かり易く。
以下略 AAS



13:名無しNIPPER[sage saga]
2018/03/23(金) 02:17:48.57 ID:pUM65r/L0

「はあ……」

昔から器量のいいタイプではなかったけれど、今日はまた一段と上手くいかない。

以下略 AAS



14:名無しNIPPER[sage saga]
2018/03/23(金) 02:19:31.63 ID:pUM65r/L0
「それで、どうかしら、解けそう?」

「うーん、あああー」

丈槍由紀さん、私の指導する生徒の一人だ。
以下略 AAS



15:名無しNIPPER[sage saga]
2018/03/23(金) 02:21:26.11 ID:pUM65r/L0
しかし普段の様子を見ていると、子供っぽい言動も多いものの、場の雰囲気を読んで巧みに動いている節がある。

恐らく、とても賢い子なのだ。少しだけ勉強が苦手なだけで。


以下略 AAS



16:名無しNIPPER[sage saga]
2018/03/23(金) 02:22:59.94 ID:pUM65r/L0
「……ねえ、めぐねえ」

「っあ、ごめんね」

ふと気付いたら、空白の埋まったプリント持って、丈槍さんがすぐ隣に立っていた。
以下略 AAS



17:名無しNIPPER[sage saga]
2018/03/23(金) 02:25:27.94 ID:pUM65r/L0
改めて丈槍さんの方に向き直し、手に持っていたプリントを受け取ろうと手を伸ばす。

だが、その手は空を切り、プリントは丈槍さんの後ろに隠されてしまった。

「えっと、丈槍さん……?」
以下略 AAS



18:名無しNIPPER[sage saga]
2018/03/23(金) 02:27:37.15 ID:pUM65r/L0
「ごめんね、ダメな先生で」

「また謝った。どうしたの、話してよ。私、めぐねえが辛そうなのは嫌だよ」

無理やり笑って誤魔化そうとしたら、今度は本当に悲しそうな目をされてしまった。
以下略 AAS



19:名無しNIPPER[sage saga]
2018/03/23(金) 02:28:39.86 ID:pUM65r/L0

――あーあ、何してるんだろう。

しばらく天井を眺めて、ゆっくり深呼吸をする。

以下略 AAS



20:名無しNIPPER[sage saga]
2018/03/23(金) 02:30:05.29 ID:pUM65r/L0

「ねえ、丈槍さん。あなたは大人になったら何したい?」

「えっ、私? えーっと、総理大臣、とかかな?」

以下略 AAS



21:名無しNIPPER[sage saga]
2018/03/23(金) 02:31:19.58 ID:pUM65r/L0
目をぱちくりさせて首を傾げた丈槍さん。

それもそうだ、自分でも言っておいて、良く分からないなって思う。

教師が先生になりたいって、明らかに矛盾している。
以下略 AAS



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