阿良々木「忍野が怪談を解決して行く?」
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103:名無しNIPPER
2018/04/05(木) 10:06:44.32 ID:pV04h44/0
後を追うのは楽だった。
階段から眺めるだけで、何処へ行ったかは一目瞭然だった。
多量の血液が、「それ」の動線を表していたのだ。

阿良々木「あの部屋だ」
以下略 AAS



104:名無しNIPPER
2018/04/05(木) 10:08:09.87 ID:pV04h44/0
僕が聴く姿勢を示すと、階段の1番上の段に腰掛け、隣をポンポンと叩いた。
座れと言うことか。
それ程長い話になるのだろう。

忍野「まず、今の儂らが置かれとる状況じゃが、これは家そのものの記憶ではないかと思うておる」
以下略 AAS



105:名無しNIPPER
2018/04/05(木) 10:09:59.87 ID:pV04h44/0
忍野「最初のお前様の叫び声じゃよ。誰も居ないと思っておったから、つい声を上げてしもうた様じゃが、隣の部屋にアレが聴こえんわけなかろう」

阿良々木「たまたま気のせいだと思った可能性は?」

忍野「無くはない。じゃが、根拠はまだある。あの押入れから飛び出してきたナニか。あ奴は何故目の前の儂らを無視して階段を降って行ったのか」
以下略 AAS



106:名無しNIPPER
2018/04/05(木) 10:11:16.59 ID:pV04h44/0
阿良々木「じゃあ、奴に僕達は見えていないって事になるのか?」

忍野「そうじゃな。過去の映像を見ているのと同じで、儂らはこの世界に介入出来んものだと考えておる」

阿良々木「……ちょっと待てよ。過去の世界って事は、これはまさか、呪いが生まれた瞬間を目撃しているって事か?」
以下略 AAS



107:名無しNIPPER
2018/04/05(木) 10:12:34.51 ID:pV04h44/0
阿良々木「そっか……。母親に助けを求めた少年、それが最初の犠牲者なんだな」

忍野「お前様が気に病むことではない。ただ、母子の事を思うなら、戻ってちゃんと供養してやらんとの」

阿良々木「……それで、あの親子は呪いから解放されるのか?」
以下略 AAS



108:名無しNIPPER
2018/04/05(木) 10:13:30.72 ID:pV04h44/0
忍野「それに、これは恐らくあの少年の意思でもある」

阿良々木「……?」

忍野「『ママ 助けて』というメッセージじゃ。儂らはアレを、勝手に母親に助けを求めるもの、と認識したが」
以下略 AAS



109:名無しNIPPER
2018/04/05(木) 10:14:41.01 ID:pV04h44/0
忍の話を聴いたあと、件の和室に入ってみた。
すると、開いた襖から部屋全体に血飛沫が飛んだ痕跡が残っていた。
所が、肝心の親子の姿は見えず、僕達は諦めて部屋を後にした。

阿良々木「っ!」
以下略 AAS



110:名無しNIPPER
2018/04/05(木) 10:15:31.64 ID:pV04h44/0
「あ"あ"あ"あ"ぁ"ぁ"ぁ"……」

もう、恐怖は感じなかった。
申し訳なさみたいなものさえ、感じていた。

以下略 AAS



111:名無しNIPPER
2018/04/05(木) 10:17:39.31 ID:pV04h44/0
階段を駆け上がり、彼女の目の前に立つ。
一息に、その頭目掛けて刀を振り下ろした。
せめて、苦しまぬ様に、一撃でかたをつけたかったのだ。
キラキラと砂粒が散っていく様に、彼女は崩壊して行った。
何処からともなく2人分の「ありがとう」が聴こえた気がした。
以下略 AAS



112:名無しNIPPER
2018/04/05(木) 10:18:40.45 ID:pV04h44/0
後日譚と言うか、今回のオチ。
その後、屋根裏を隈なく捜索し、遺体を見つけた。
こんな所で何をしていたのか、ご家族は?などと問い詰められては面倒なので、警察に通報した後、僕達はさっさとトンズラした。
後に聞いた話では、彼女の親類縁者は全員亡くなっており、無縁仏としてお寺で供養されるらしい。
これも呪いの影響なのか、偶然なのか、色々考えてしまう。


113:名無しNIPPER
2018/04/05(木) 10:19:44.98 ID:pV04h44/0
月火「お兄ちゃん!何で私の体調が悪い間に帰ってきて、回復したと思ったらもう居ないの!?ウチに帰ってきたら私に挨拶するのが筋でしょ!」

幽霊騒動を片付けた後、一旦帰宅した僕は、火憐に「もう大丈夫だ」という事を伝えて、またすぐにアパートへと戻ったのだったが、翌朝一番に月火からそんなモーニングコールが来た。

阿良々木「うるせぇ!今何時だと思ってんだ!」
以下略 AAS



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