周子「昨日のあたしが知らない場所を」
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3: ◆vOwUmN9Rng
2018/04/09(月) 01:10:54.34 ID:5Tf9w7wF0
もう授業なんてないのに、あたしたちは同じ制服を着て、同じ時間に学校に来て、これまでと同じ時間を過ごして、帰る。

遅刻魔だったはずのミッコは毎日いの1番に教室にいるし、あんなに先生の文句ばっかり言ってたユカちゃんは日がな1日職員室に入り浸っている。

高校生活が終わるから、みんなしっかりと高校生をやりきろうとしているんだと思う。
以下略 AAS



4: ◆vOwUmN9Rng
2018/04/09(月) 01:12:23.42 ID:5Tf9w7wF0
「なあ聞いた聞いた? とうとうバスケ部の伊藤が告るらしいよ!」


きゃあー、と桜並木と同じ色をした歓声があがる。

以下略 AAS



5: ◆vOwUmN9Rng
2018/04/09(月) 01:13:39.14 ID:5Tf9w7wF0
2つ隣のクラスの伊藤くんと言えば、清純派イケメンで有名だ。

同学年はもちろん、下級生にまで人気のある子だけど、本人は心に決めた誰かがいるとの噂で色んなアプローチに全く靡かない。

それがまた、女心をくすぐる、らしい。
以下略 AAS



6: ◆vOwUmN9Rng
2018/04/09(月) 01:15:19.78 ID:5Tf9w7wF0
それにしても、最近はそんな話題ばっかりだ。

誰々が付き合うことになった、別れた、フラれた……。

あたしも、興味ないわけじゃないけどさあ。


7: ◆vOwUmN9Rng
2018/04/09(月) 01:16:03.87 ID:5Tf9w7wF0
「お熱いねー、お相手は誰なん?」


軽い気持ちで首を突っ込んだら、青子の顔がぐりんとこちらを向いた。

以下略 AAS



8: ◆vOwUmN9Rng[saga]
2018/04/09(月) 01:17:35.30 ID:5Tf9w7wF0
「なに言ってんのよ! 周子、あんたよ! あんた!」


「へ?」

以下略 AAS



9: ◆vOwUmN9Rng[saga]
2018/04/09(月) 01:18:21.60 ID:5Tf9w7wF0
びゅうと吹き込んできた春の匂いが、あたしの髪をくすぐる。

そろそろ短くしてもいいかな。卒業だし。

背中をかすかに押しているのは、カーテン、それとも恋の気配?
以下略 AAS



10: ◆vOwUmN9Rng[saga]
2018/04/09(月) 22:58:45.02 ID:5Tf9w7wF0



早かった春は、あっという間に終わってしまった。

以下略 AAS



11: ◆vOwUmN9Rng[saga]
2018/04/09(月) 23:00:54.22 ID:5Tf9w7wF0
友達はみんな高校生の肩書きを返上して、あちこちに散らばって華の大学生活というやつを謳歌している。

ユカちゃんも、青子も。

遅刻魔ミッコなんて九州に行ってしまったと聞いた。


12: ◆vOwUmN9Rng[saga]
2018/04/09(月) 23:01:50.35 ID:5Tf9w7wF0
あたし? あたしは……。

華の実家暮らしだ。

高卒、家事手伝い。
以下略 AAS



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