善子「今だけ私のことを」
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1:名無しNIPPER[saga]
2018/04/12(木) 19:03:45.32 ID:iaNBXfrL0
 1人、学校へ向かう朝のバス。


曜『全速前進〜ヨ―ソロー!』


 スマートフォンに映るのは、Aqoursの宣伝のためにネットにあげられた動画。

 小さな画面の中でも分かる、キラキラと輝いている、私の先輩。

 私が密かに恋心を持っている相手。


『可愛い』『曜ちゃん最高!』『この子いいね〜』


 溢れる称賛のコメント。

 皆から愛されるその人に、私はコメントを書きこむ誰よりも近い。

 ちょっとした優越感。この有象無象と比較すれば、私と彼女との関係は、相当深い部類。

 でもね、それじゃダメなの。

 一番にならなければ意味がない。

 一番でなければ手に入らない。

 そして知っている、私が一番になることは不可能だということを。

 貴女が好きなの、そのすべてを欲しいの。

 でも絶対に叶わない、それが苦しくて。

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2:名無しNIPPER[saga]
2018/04/12(木) 19:08:59.28 ID:iaNBXfrL0
 だからこうして気を紛らわす。

 自分より下の相手と比べて、まるで自分が彼女にとって特別な存在であるような気分を得る。

 あくまでも、同じ部活の先輩後輩に過ぎないのに。
以下略 AAS



3:名無しNIPPER[saga]
2018/04/12(木) 19:11:33.60 ID:iaNBXfrL0
曜「この動画、全員分アップしてあるんだっけ」

善子「ええ、一応ね」

 編集とアップロードを任されたのは私だった。
以下略 AAS



4:名無しNIPPER[saga]
2018/04/12(木) 19:16:17.47 ID:iaNBXfrL0
善子「いいんじゃないかしら、リーダーだし」

曜「えへへ、最初はやっぱり千歌ちゃんだよね」

 曜さんが再生ボタンに触れると、流れ出す映像。
以下略 AAS



5:名無しNIPPER[saga]
2018/04/12(木) 19:19:55.50 ID:iaNBXfrL0
曜「あー、満足した」

 動画の再生が終わると、曜さんは満足そうに笑顔を見せる。

善子「もぅ、ちゃんとチェックしたの?」
以下略 AAS



6:名無しNIPPER[saga]
2018/04/12(木) 19:22:16.47 ID:iaNBXfrL0
曜「相変わらず変だね〜」

善子「うっさいわね! 文句あるなら消しなさいよ」

曜「嫌だよー。ちゃんとチェックしなきゃいけないもん」
以下略 AAS



7:名無しNIPPER[saga]
2018/04/12(木) 19:25:48.06 ID:iaNBXfrL0
 貴女はいつもそうだ。

 私の気持ちなんて考えずに、ぎっちり固めたガードを簡単にすり抜けて、心の大事な部分に入り込んでくる。

 そんな行動に抗うことはできずに、頭は、心は侵食され、気づけば私の中は曜さん一色に染まる。
以下略 AAS



8:名無しNIPPER[saga]
2018/04/12(木) 19:30:10.53 ID:iaNBXfrL0
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以下略 AAS



9:名無しNIPPER[saga]
2018/04/12(木) 19:41:53.19 ID:iaNBXfrL0
善子「その理屈なら私たちだって、同じバスなんだから普通でしょ」

 そんなに本数が出ているわけじゃない田舎なんだ。

 一本ずらしただけで練習に遅刻してしまいかねない。
以下略 AAS



10:名無しNIPPER[saga]
2018/04/12(木) 19:55:37.96 ID:iaNBXfrL0
ルビィ「おはよう、善子ちゃん」

善子「ルビィ!」

 いいタイミングで現れてくれた。
以下略 AAS



11:名無しNIPPER[saga]
2018/04/12(木) 20:03:43.40 ID:iaNBXfrL0
千歌「善子ちゃん、曜ちゃんから動画のこと聞いたよ!」

善子「え、ええ」

千歌「曜ちゃんね、完璧だったって褒めてくれたんだ」
以下略 AAS



12:名無しNIPPER[saga]
2018/04/12(木) 22:06:49.63 ID:iaNBXfrL0
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   ※

以下略 AAS



13:名無しNIPPER[saga]
2018/04/12(木) 22:10:26.74 ID:iaNBXfrL0
曜「ごめん善子ちゃん、遅くなった!」

善子「もう、遅いわよ」

曜「あはは、ちょっと千歌ちゃんに捕まっちゃってさ」
以下略 AAS



14:名無しNIPPER[saga]
2018/04/12(木) 22:40:28.28 ID:iaNBXfrL0
善子「敵わないわよ、曜さんと千歌さんの関係には」

曜「でもさ、善子ちゃんはルビィちゃんのことも、花丸ちゃんのことも好きでしょ」

善子「ええ、そうね」
以下略 AAS



15:名無しNIPPER[saga]
2018/04/12(木) 22:44:32.21 ID:iaNBXfrL0
善子「曜さんも、Aqoursのみんなのことが好きなのよね」

曜「うん、もちろんだよ!」

善子「じゃあその中に、特別好きな人はいるの?」
以下略 AAS



16:名無しNIPPER[saga]
2018/04/12(木) 22:49:14.15 ID:iaNBXfrL0
曜「えー、そういうのあんまりよくないよ〜」

善子「いいじゃない、私たち二人しかいないんだし」

 千歌さんが特別なのは、隠せなかったわけだし。
以下略 AAS



17:名無しNIPPER[saga]
2018/04/12(木) 22:58:54.66 ID:iaNBXfrL0
 でもね、結局私の行動は動画を見ている時と変わらないの。

 負けるわけない範囲で、偉そうにしているだけ。

 所詮私は弱虫
以下略 AAS



18:名無しNIPPER[saga]
2018/04/13(金) 22:27:27.34 ID:2In7rMH80
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以下略 AAS



19:名無しNIPPER[saga]
2018/04/13(金) 22:30:09.31 ID:2In7rMH80
曜「まあまあ、別に勝敗を競おうってわけじゃないんだから」

善子「それはそうかもしれないけど……」

曜「ボウリングのお金は私が奢るからさ」
以下略 AAS



20:名無しNIPPER[saga]
2018/04/13(金) 22:55:55.26 ID:2In7rMH80
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以下略 AAS



21:名無しNIPPER[saga]
2018/04/13(金) 22:59:28.98 ID:2In7rMH80
善子「あんなとこ、ファンの人たちには見せられないわね」

曜「いやー、ファンよりダイヤさんに見れるパターンの方が怖い」

善子「確かに凄い怒られそうね」
以下略 AAS



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