勇者「休暇?」女神「異世界転生しすぎです、勇者さま」
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406: ◆Rr2eGqX0mVTq[saga]
2018/08/01(水) 01:40:31.62 ID:9OC/ch8I0
あまりの音の大きさだったせいか、他の音がひどく遠くのもののように感じられた。

一体何が起こっているのだろう?

疑問符が脳内で次々と生まれてくる中、一つの可能性がふっと浮かび上がってくる。
以下略 AAS



407: ◆Rr2eGqX0mVTq[saga]
2018/08/01(水) 01:41:18.50 ID:9OC/ch8I0
山が消えたこともあって、村の人たちはみんなあれを脅威だと認識したようで、私とは逆方向に逃げていく。

それを横目に大方の人の流れと逆走する私は、何度もいろんな人に止められかけたが、それらの手をくぐり抜けるようにして先へと進んだ。

「はぁ、はぁっ」
以下略 AAS



408: ◆Rr2eGqX0mVTq[saga]
2018/08/01(水) 01:41:53.29 ID:9OC/ch8I0
次の瞬間には私は走り出していた。頭で考えたというよりは脊髄反射的で、本能的にあれが脅威だと直感したのだろう。

逃げる先は山の中以外になかった。足下が悪く何度もつまずきそうになるも、幸運にも転ぶことはなく上へ上へと登る。

「な、なに……? 何なの……? 一体何が……」
以下略 AAS



409: ◆Rr2eGqX0mVTq[saga]
2018/08/01(水) 01:42:19.38 ID:9OC/ch8I0
「どうして、こんな……」

目から涙がとめどなく流れてくる。水滴を吸い込む地面は、他の何かの足音で一定の間隔で揺れる。

「嫌だ……っ、死にたく、死にたくないよぉ……!」
以下略 AAS



410: ◆Rr2eGqX0mVTq[saga]
2018/08/01(水) 01:42:52.08 ID:9OC/ch8I0
「えっ……?」

思わず、言葉を失った。

「嘘……、そんな……」
以下略 AAS



411: ◆Rr2eGqX0mVTq[saga]
2018/08/01(水) 01:43:36.23 ID:9OC/ch8I0
「きゃあああああああっっ!!! 痛い痛い痛いいたいぃぃっ!!!」

腕が縦に、真っ二つに裂けてしまったような感覚が全身を突き抜ける。

鮮血が傷口から一気に噴き出る。
以下略 AAS



412: ◆Rr2eGqX0mVTq[saga]
2018/08/01(水) 01:44:02.95 ID:9OC/ch8I0
太ももに刃を突き立てられる。また血が一斉に吹き出して、そこら中が私の血溜まりだらけになっているのが見えた。

「あっ……っっ! た、たす、け、つ……っ」

逃げ出したい。
以下略 AAS



413: ◆Rr2eGqX0mVTq[saga]
2018/08/01(水) 01:44:29.03 ID:9OC/ch8I0
お腹の辺りが強く押される。と思いきや、不自然にそこにあったものは抵抗を失い通り抜けていく。

私の体の中を。

「ぐふぅっ!?」
以下略 AAS



414: ◆Rr2eGqX0mVTq[saga]
2018/08/01(水) 01:45:28.81 ID:9OC/ch8I0
――!

地面が一気に震え上がる。ずっと遠くの地の底から、何かが湧き上がってくるような音がした。

私の周りにいた化け物たちはみな手を止めて、一方向を見つめる。その視線を追うと、あの山の頂上の鈍い光がどんどん強まっていくのを感じた。
以下略 AAS



415: ◆Rr2eGqX0mVTq[saga]
2018/08/01(水) 01:46:06.04 ID:9OC/ch8I0
この山には祠があったっけ。

昔、彼と一緒にこの山を冒険したんだった。

熊に襲われて、でも彼が助けてくれて。
以下略 AAS



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