勇者「休暇?」女神「異世界転生しすぎです、勇者さま」
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424: ◆Rr2eGqX0mVTq[saga]
2018/08/01(水) 01:57:18.92 ID:9OC/ch8I0
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「さて、と」

尋常でない魔力の瘴気に、背筋が震え上がるようだった。これだけの魔力を、この魔王は至る場所から吸収し、溜め込んでいたのだ。

しかしそれが放出された今、この世界でも俺は魔法をいつも通り、いや、それ以上に使うことができる。

「じゃあ、行ってくる」

後ろにいる彼女にそう伝える。ここに来てすぐに最上級の回復魔法を使ったおかげで傷こそないものの、衣服がボロボロに破けていたり髪はグシャグシャになっていたりと、見ていて痛々しかった。

「うん。あなたなら、きっと倒せるよ」

「ああ」

飛行魔法で山の頂上と同じ高さまで一気に上昇する。

禍々しく重い瘴気が周辺に充満しているせいで、呼吸することすら苦痛に感じられるほどだ。

紫と黒の入り混じった光の中に、一際強い魔力を感じる。あれがこの魔王の中枢なのだ。

「やっと会えたな」

俺が108の世界で戦ったせいで生まれた、魔王の怨恨の塊。

最早、魔王なんて呼ぶべきではないのだろう。

これは『世界の憎しみ』そのものだ。


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