勇者「休暇?」女神「異世界転生しすぎです、勇者さま」
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432: ◆Rr2eGqX0mVTq[saga]
2018/08/01(水) 02:04:36.79 ID:9OC/ch8I0
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音が戻ってくる。風景に色彩が戻る。

俺は今もなお落ち続けていて、涙が上に向かって流れていく。

魔力がみなぎってくる感覚が、その人が存在していたただ一つの痕跡だった。

「女神様……。その命、絶対に無駄にしない……!」

飛行魔法を唱え、一気に空へと上っていく。流した涙を追い越し、さらにその先まで。

長い時間が過ぎたように感じていたが、実際に流れたのはほんの数秒ほどだろう。まだ結界はほとんど修復されていない。

これ以上、余計な時間をかけてはいられない。

「今度こそっ!」

まだ微かに剣に魔力が残っているおかげで、集中はすぐに完了し、一気に放った。

突然の俺の復帰を予測していなかったらしく、結界は一瞬でバラバラに砕け散った。

「おおおおおぉぉぉぉぉおおおおおおっっっ!!!」

もう一度同じだけの結界を張るよりも、俺が中枢に剣を突き刺すほうが早かった。


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