4: ◆Xz5sQ/W/66[sage saga]
2018/06/29(金) 19:39:28.01 ID:XuoQ6Ng60
言って、彼がナビの表示する画面を指す。
見れば、確かに今の現在地から、
後数キロも走れば到着するような距離だった。
「向こうに着く頃には日付が変わってるな。大体日帰りってのが無茶なんだよ」
「でも、そうでもしないと明日以降の予定に響くんじゃ」
「それを言っちゃあ返す言葉も無いんだけど。
……悪いねホント、君にまで無理に付き合わせて」
「そんな! 私のことなら大丈夫です。むしろ心配なのは私よりも――」
『アナタの体の方ですから』……だけど、
その言葉はもごもご口の中で吐き出されないままに溶けていった。
不自然に途切れてしまった会話の穴を埋めるように、
カーラジオの音量がぐんと上がったような気がしだす。
本当は単に、意識の外に締め出していただけだったろうけども。
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