【ﾓﾊﾞﾏｽ】月を想う-SS速報VIP

【ﾓﾊﾞﾏｽ】月を想う

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2: ◆Hnf2jpSB.k[sage saga]
2018/07/01(日) 23:33:06.55 ID:lsRtpyZt0

それは、故郷のものとは比べるべくもなかった。
古く、小さく、質素だった。
けれど、そんなことは重要ではない。

3: ◆Hnf2jpSB.k[sage saga]
2018/07/01(日) 23:34:01.72 ID:lsRtpyZt0

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ここに来るのは何時振りだろうか。

4: ◆Hnf2jpSB.k[sage saga]
2018/07/01(日) 23:34:57.77 ID:lsRtpyZt0

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5: ◆Hnf2jpSB.k[sage saga]
2018/07/01(日) 23:36:05.50 ID:lsRtpyZt0

カチャリと。
見た目通りの軽い音を立てて扉が開く。

「お久しぶりです、お嬢様」

6: ◆Hnf2jpSB.k[sage saga]
2018/07/01(日) 23:36:50.04 ID:lsRtpyZt0

『……ずっと考えていたんだけどね』

まるで意味を成さない思考を、待ち望んだ声が遮る。
慣れ親しんだ言葉に乗せて、懐かしい声が響く。

7: ◆Hnf2jpSB.k[sage saga]
2018/07/01(日) 23:37:30.46 ID:lsRtpyZt0

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幼少期のライラお嬢様は、どこにでもいるような女の子だった。

8: ◆Hnf2jpSB.k[sage saga]
2018/07/01(日) 23:38:14.07 ID:lsRtpyZt0

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9: ◆Hnf2jpSB.k[sage saga]
2018/07/01(日) 23:39:04.48 ID:lsRtpyZt0

「いつもライラがお世話になっています」

仕事柄、表情を取り繕うことには慣れている。
どこにでもいるような保護者の仮面で、挨拶をする。

10: ◆Hnf2jpSB.k[sage saga]
2018/07/01(日) 23:40:01.63 ID:lsRtpyZt0

とはいえ、別に驚くようなことではない。
お嬢様は昔からそうだったのだから。

人には、大なり小なり善意がある。

11: ◆Hnf2jpSB.k[sage saga]
2018/07/01(日) 23:41:36.75 ID:lsRtpyZt0

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「お忙しい所を失礼いたします」

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