6: ◆f4JAbaSLiQ[saga]
2018/10/18(木) 00:40:08.99 ID:GDHcWqHB0
大抵物語というものは、目が覚めるとそこは……だとか、腹減ったー……だとか、文学に精通している風を装った煩わしい長文だとか、そういうところから始まるのが一般的だ。
物語の内容には一切関わりのない、自己満足のような冒頭。読者の為だと声を上げながらも、その実は賢くみられたいだとか、或いは単なる文字数稼ぎだったりする。
分厚い書籍、賞を取った文学作品、はたまた偉そうなグルメリポーター。そのどれもが回りくどくジグザグに、紆余曲折してから内容を語り出す。
……もう気付いてるかもしれないが、この物語だって例に漏れずそれを体現している。
尤も、その烏合の山から一握り。その冒頭だけで読者を虜にする鷹達も居る。他とは違う表現を筆述する事において、日本語は最もと言っていいほどに有用なツールだ。それを自在に操り、見え隠れする情景やら心情やら深みやら奇天烈さで読者を魅了し、物語の世界へと足を踏み入れさせる。
それに憧れた。
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