長富蓮実「ザ・ラストガール」
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3:名無しNIPPER[saga]
2018/12/14(金) 23:05:58.11 ID:wXX+fiS7o
 
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外に吹く風の音は、先ほど、部屋へ入った頃よりは弱まったような気がします。

日は少し傾き、窓に差し込む柔らかな橙が長い廊下に映り込み、足下を照らしてくれます。
同じように、私の心もまるで夕暮れ気分、といったところです。

あのように否定されるのは、慣れっことはいえやはり寂しくなります。
どこにオーディションを受けに行っても、私の評価はいつも似たようなもの。

「古い」「今時ウケない」「センスが80年代」

言われなくても分かっているのです。
自分の趣味も、それを模倣してみることも、それを自分の売りにできまいかなどと考えることも、

私の理想が、いかに浅はかな憧れかということは、自分が一番よく分かっているのです。


地元の島根から一人、東京に出てきて今日で半年あまりの春の日でした。


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