15:1[saga]
2018/12/31(月) 21:32:06.65 ID:5HVmwGJ40
『………』
声だ。どこからともなく声が聞こえてきた。
誰が発しているのかわからないが明らかに声が頭の中に響いてきた。
この声は聞き覚えがある。あの日、もうずっと昔一度だけ聞いた神の声だ。
まさか…神がようやく自分に応えてくれたのか…?
その期待に応えようと最期の力を振り絞り祭壇の前まで駆け寄った。
するとどうだろうか?祭壇の中から何かが自分の身体を包み出した。
このまとわり付くモノはなんだ?だが不思議と甘美な心地良さを感じてしまう。
怪人は思った。きっと神が自分に力を与えてくれるのだろうと…
ああ、これでゲゲルを続けられる。
古の時代、かつて自分たちグロンギと呼ばれる一族が行ってきたリントを狩るゲゲル。
かつて自分を追放した一族の長。ン・ダグバ・ゼバ
以前は一族から追放されたことを深く恨んでいた時期もあった。
だが今は一族から追放してくれたことを感謝すらしている。
そのおかげで自分は神と出会えた。そんな満足していると深い眠気に陥ろうとしていた。
どうやら強靭な身体を得るのに長い年月を費やさなければならないようだ。
いいだろう。いつまでも待ってみせる。伊達に何万年も待ち続けていたわけじゃない。
待ち続けてやる。そして神の力を得た時こそあの黒いクウガを倒す。
彼はそう心に誓いながら深い眠りについた。
それから12年の歳月が流れた。
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