分別のつかない僕っ娘「要するに、善悪とは主観的なものなんだよ」
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13:名無しNIPPER[sage saga]
2019/02/03(日) 21:09:42.58 ID:akmR/FL90
「っ……ありが、とう」
「うん」
「あ、ありがとね……本当に、ありがとぉ」
「うん……わかったから、泣かないで」

涙が止まらない。
こんな私の頭を優しく撫でてくれた。
度し難い悪党である私を、見捨てなかった。

この子は世界で一番、正しい存在だと思った。

「ほら、鼻かんで」

渡されたティッシュで鼻をかむ。
ついでに、もう一枚ティッシュを貰って。
私はせめてものお詫びに、彼女の真っ白な太ももに伝う尿を、なるべく丁寧に拭ってあげた。

「こんなことしていいの?」

どうだろう。良くないのかも知れない。
人によっては、ダメだと言うかも知れない。
客観的に見たら、悪なのかも知れない。

でも、それでも、私の主観では、どうしても。

「これは私の、責任……だから」
「だから、なんだい?」
「だから責任を持って、綺麗に、するのっ!」
「たとえそれが、うんちでも?」
「あ、当たり前でしょっ!!」

まるで子供みたいな物言いになってしまったけれど、結局は自分自身の主観で分別をつけた。

「やれやれ。大人は大変だね」
「でも……それが大人だから」
「そうだね。君の言う通りだ」

客観性に縛られる大人は大変だ。
しがらみは多いし、面倒くさい。
それでも、ある程度は、自由だ。

自らの主観で分別をつけるのが、大人だから。


【善悪の糞別】


FIN


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