11: ◆x8ozAX/AOWSO[saga]
2019/04/08(月) 16:13:56.01 ID:mVFB92gLO
シャーペンを置く音が聴こえて、俺は振り返ろうとして。
気が付けば俺の隣に、夕陽を背景に笑う結華が居た。
「アイドル三峰結華は、ずっとプロデューサーの隣に居たいって思ってるから」
「……そっか、安心だ」
申し訳ないとも思う。
残酷な事を自分の口から言わせてしまっていると思う。
けれど、結華の笑顔は、作られたものでは無かったから。
その言葉を聞いて、そんな結華を見て、嬉しいと思ってしまった。
「よしよし、安心してくれた様で何より。じゃあ次は不安になる言葉を一つ」
今度は、悪戯っぽい笑顔。
それはさっきよりも、楽しそうだった。
「だからプロデューサーは、アイドルじゃなくなった三峰結華の居場所を考えておいてくれなきゃダメだからね?」
アイドルではなくなった三峰結華。
彼女のプロデューサーではなくなった、俺……
だとしたら、きっと。
俺と彼女の立つ場所は……
「……法廷で会おうって事か?」
「もしもしこがたん? うん、良い弁護士知ってる?」
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