【たぬき】高垣楓「迷子のクロと歌わないカナリヤのビート」
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316: ◆DAC.3Z2hLk[sage saga]
2019/09/05(木) 01:38:01.37 ID:9I+qLSeE0
  
   〇


 言っちゃなんだがお上りさん丸出しだった。
 新宿駅の東口広場でデカいリュックを背負い、人ごみに惑う女の子を見つけた。

 最初は親切心からだった。外回りで見かけてしまい、なんか放っておくのも憚られて。
 あの、お困りですか――などとお決まりの声をかけようとして。

「ぽこっ!? ななな、なんでしょうかっ!?」


 あ。


 この子だ、と思った。

 前置きはいらない。名刺を出して、その子に差し出す。
 目をまんまるに見開くその子から、陽だまりのような匂いを嗅いだ気がした。

 だからではないが、確信に近い思いで、言う。




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