【たぬき】高垣楓「迷子のクロと歌わないカナリヤのビート」
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320: ◆DAC.3Z2hLk[sage saga]
2019/09/05(木) 02:01:12.80 ID:9I+qLSeE0


「ふぅぅ〜〜〜〜っ…………」

 何度目かもわからない深呼吸。

 彼女の店は、一応わかっている。教えてもらったから。
 けど入るのはこれが初めてだ。
 俺が店を訪れる時は、彼女に名刺を渡す時だと。そう決意していたから。
 今更何を怖がる。熊本で空を飛んだり、京都でみょうちくりんな結界に閉じ込められたりしたんだ。

 そういうスチャラカなプロデューサー業を越えての今だろう。

 もう、いつかの迷子ではないだろう。


「…………よしっ」

 腹をくくる。大股で歩を進める。

 俺は名刺を一枚取り出し、その喫茶店のドアを、勢いよく開けた。







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