無価値な男「僕は人から必要とされる人間になりたい」無価値な女「私もそう思う」
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4:名無しNIPPER[sage saga]
2019/06/18(火) 20:46:10.91 ID:kXabp11vO
「ただいま」
「あ、お父さん。おかえり〜」

場面は変わって、下校後。
私はいつも通り、父親のアパートへ向かった。
そこで夕飯を作り、父親が仕事から帰宅してから、一緒に食べる。それが日常である。

両親が離婚してから、ずっとそうしてきた。

「遅くなってすまん」
「遅くまでお疲れ様。ご飯、出来てるから」

クタクタになった父親を労う。
遅くまで残業しても、稼ぎは悪い。
そんな父親は、母親にとって無価値だった。

だから、母親に見限られ、捨てられた。

「美味しいよ」
「ありがと」

美味い美味いと、父親は私の料理を食べる。
美味しい以外の感想を貰ったことはない。
それでも、満面の笑みから、本心だとわかる。

「どうかしたのか?」
「えっ?」

食後。
2人で皿を洗っていると、不意に尋ねられた。
首を傾げると、父親は皿を洗いながら笑った。

「これでも父親だ。娘が何か悩んでいることくらいはわかる。もし良かったら、話を聞くよ」

悩んでいる素振りを見せたつもりはなかった。
父親の勘とは、存外鋭いものらしい。
しかしまあ、隠す必要もないので、話そう。

「今日、後ろの席の子から頼まれてさ……」
「ほう? どんな頼みごとだ?」
「クラスの男子とデートすることになった」

さらりと打ち明けると。
父親は大いに取り乱し。
デートに役立つ助言は、一切、貰えなかった。


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