静香千早「「アライブファクター」」 【ミリマス】
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23: ◆0NR3cF8wDM[saga]
2019/06/30(日) 00:32:59.46 ID:+e3phmGi0


 こつ、こつ、こつ。遠ざかる千早の足音が聴こえる。
 30秒前です。促すスタッフの声もどこか遠く。
 背中から、そして胸の辺りから、熱い何かが全身を駆け巡るようだった。
 身体の震えは相変わらずだったけど、それはさっきまでの冷たい震えとは違う何かだった。
 意識したわけでもないのに、口角が上がっていた。

 ぺろ、と唇を舐める。

 あの千早が、憧れた人が、言ったのだ。
 本気でかかって来い、と。
 ただ、自分のみに向けて!

 どうして忘れていたのだろう。
 『D/Zeal』としてジュリアと向き合った時、確かに抱いたはずの感覚を、ようやくにして静香は思い出した。

 あの時と同様、いや、それ以上に好戦的な気持ちがふつふつと湧いて来る。
 本気でぶつかってやる。
 やってやる。
 負けない。
 絶対に負けない。

 例え、あなたが相手だって――





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