静香千早「「アライブファクター」」 【ミリマス】
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31: ◆0NR3cF8wDM[saga]
2019/06/30(日) 00:46:15.02 ID:+e3phmGi0


 ……がんばれ。

 その呟きは、果たしてどちらに向けられたものだっただろうか。
 互いの汗さえ降りかかりそうな歌い合い、殴り合いだった。
 きっと、本来の振り付けも、立ち位置さえも乱して、千早と静香はそれぞれの中にある感情をぶつけ合っていた。

 歌の、闘いの終わりは近いようだった。

 一心にペンライトを振るファンがいた。
 両の手を合わせ祈るように見守るファンがいた。
 頬を流れる涙を拭うこともできず立ち尽くすファンがいた。


 二人の歌声が共鳴する。
 千早が、静香が、今日最大の気勢をもって呼応する。
 既に互いを見やることさえ無く、ただ己が魂を主張するような叫びを振り絞る。

 ここが決着だと誰もが確信に似た予感を覚える。

 ロングトーン。
 千早の声が伸びていく。
 静香の声が伸びていく。

 会場を越え、どこまでも、二人の声が――






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