藤原肇「この手を引いて」
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19:名無しNIPPER[sage ]
2019/08/01(木) 00:45:20.40 ID:Ob8vgikR0

ギョッとして周りを見渡すと、私はいつの間にか、私の家の門の前に立っていました。山を降りている感覚なんて、なかったのに。…そして、その女の人の姿は、霧とともに消えてしまったのです。これが、私の覚えているあの日の出来事です。

……え? その女の人とお地蔵さんは関係あるのかって? ふふ、それが大ありなんですよ、Pさん。


20:名無しNIPPER[sage ]
2019/08/01(木) 00:46:35.06 ID:Ob8vgikR0

呆然としている私を不思議そうに見ながら「ほら、早く手洗いうがいしちゃいなさい」と言う母が、ふと私の手に目をやって言ったんです。「あら、肇。ご飯食べてきたの?」…私は、ハッとして自分の手を見てみました。そうしたら、ご飯粒が私の手のひらにくっついていたんです。私は、おそるおそる口に含んでみました。間違いない、私の家のおにぎりの味です。

…ふふ。どうです、Pさん。これでわかったでしょう? あの女の人の正体は、このお地蔵さまだったのです。きっと、私がお供えしたおにぎりのお礼に私を助けてくれたんですね。


21:名無しNIPPER[sage ]
2019/08/01(木) 00:47:24.01 ID:Ob8vgikR0

それ以降毎年私は夏になるとこちらのお地蔵さまにおにぎりをお供えするのです。ほら、このように…。「あの時助けていただいてありがとうございます」という、想いを込めて。

ー実はこの話、はじめて他の人に話しました。なんとなく、私の、私だけの大切な思い出にしようと思っていて。本当は今日も私ひとりでここに来ようと思ったんです。でも、ふと思ったんです。


22:名無しNIPPER[sage ]
2019/08/01(木) 00:49:34.77 ID:Ob8vgikR0

「私は、いつも誰かに手を引かれていたな」って。おじいちゃんに、このお地蔵さまに、そして今は、たくさんの仲間やPさんに…。いつも私は、優しい人たちに導かれています。でも、だから、だからこそ、今度は私が誰かの手を引く番だって思ったんです。

そんなことを思って、今日Pさんをここに連れてきました。…少し、大変な道のりだったかもしれませんが。それでもここなら、素直に言えるとなんとなく思ったんです。「次は私が、あなたのこの手を引く番です」って。


23:名無しNIPPER[sage ]
2019/08/01(木) 00:53:12.73 ID:Ob8vgikR0

アイドルとして私が迷っていた時、いつもPさんは私の手を引いて導いてくれました。そして、数え切れないほどの素敵な景色を見せていただきましたね。次は、私があなたにもっと素敵な景色を見せる番です。あなたが迷っていたら、私がこの手を引きます。……引かせてください。

…い、以上です。……あの、何か言っていただけると……きゃっ、あ、あの、髪は、汗かいてるので…ひゃっ、ほ、ほっぺたひっぱららいでくらひゃいっ! ……もう。

以下略 AAS



24:名無しNIPPER[sage ]
2019/08/01(木) 00:53:52.37 ID:Ob8vgikR0


…………………………


以下略 AAS



25:名無しNIPPER[sage ]
2019/08/01(木) 00:57:01.27 ID:Ob8vgikR0

……では、行きましょう。……えっ?Pさん、今、何か言いましたか? でも、「美味しかったよ」って…

…いえ、気のせい、でしょうか。さて、次は川に行きましょう。あそこも涼しくて気持ちがいいですし。それに、川の主に、Pさんを会わせたいですし。……ふふっ♪


26:名無しNIPPER[sage ]
2019/08/01(木) 01:01:07.22 ID:Ob8vgikR0

肇ちゃんは八百万の神さまに好かれてそう。僕は肇ちゃん水着ガチャに好かれませんでした。

それでは、またの機会に。


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