小日向美穂「グッバイ、ネヴァーランド」
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136: ◆d26MZoI9xM
2019/12/16(月) 23:18:55.11 ID:nY0iWbpOO
「のわっ!」

「わっ! すみません資料を見たまま歩いてて」

「いや、俺も考え事してたからあいこだ……おや、見ない顔だなぁ」

 ぶつかって地面に落ちた資料を必死でかき集める姿は昔の俺のようだ。

「はい。新しく入社したプロデューサーでして。モットーは無邪気に夢を見ようってことでして」

「無邪気に、ねえ。ん……この子」

「はい、赴任してすぐにアイドルをスカウトして来いって言われたんですが、以前オーディションで不合格だったこの子が少し気になりまして」

 名前は羽田リサ、か。何とは言わないけど年齢の割に大きなものをお持ちだ。

「アリなんじゃないか? 良いかい、新人くん。もし断られても、本当にその子をシンデレラにしたいと思ったら通報されること覚悟でアタックだよ」

「はい! 勉強させてもらいます! ……ったく、いきなり先輩ずらしてるよ」

「うん? なんか言った?」

「い、いえー! では俺はこれで失礼します! はっはっはー!」

 新人プロデューサーは慌てて廊下を駆け抜けていった。しかしなんだろうか。初めて会ったはずなのに初めてな気がしないぞ。気のせいか。



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