22: ◆d26MZoI9xM
2019/12/16(月) 00:38:43.52 ID:nY0iWbpOO
「すみません、私は昨日早くに寝てしまったので……」
「私もですっ」
「私もいつも日付が変わる前には寝るようにしてますね」
早寝していた肇、悠貴、藍子はイマイチピンと来ていないようだけど、0時になったくらいで強烈な睡魔が襲ってきた。まるでその時間になったら何かが始まるのを隠すかのようで、意識と瞼はあっという間に落ちてしまった。
「いやしかし見事でありますな。この状況で狼煙を上げて助けを呼ぶとは。恥ずかしながら私ですら混乱して思いつきませんでした」
状況が一切飲み込めず、一回り年下の悠貴の前で無力にも膝をついた俺とは対照的に、藍子と加蓮は煙を起こして存在をアピールするという手段を取った。今時の女子高生は授業でサバイバル術も学ぶのだろうか。
「加蓮ちゃんのアイデアなんです。公園の草木を集めて、ライターで火をつけて。こんなにうまく行くとは思いませんでしたけど」
やはり全部が全部砂となって海に飲み込まれた訳じゃないようだ。
「というかなんでライター持ってたんだ」
「あ、これ? 私のじゃないよ。プロデューサーさんの。あの人禁煙する禁煙するって言っても目を離すとモクモク吸ってるからライター取りあげたの」
私が吸うわけないじゃんと言いたげだ。
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