小日向美穂「グッバイ、ネヴァーランド」
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31: ◆d26MZoI9xM
2019/12/16(月) 00:52:28.37 ID:nY0iWbpOO
「すみません美穂殿。一応お店の中の目立つところにこの事務所に人がいると張り紙をして来たのでそれを見た人がこちらに来るかも知れません。待機組はどうでしたか?」

「待機組も誰かくるかなって思って待ってましたが誰も来ませんでした。もしかしたら、今ここにいるのが全員……なのかもしれません」

「肇……」

 肇は沈痛な顔で答える。折角お腹を膨らませて前向きになろうとしたのに、なんでこうも現実はままならないんだ。

「今日のところはもう休んだ方が良いかもしれないな」

「そうですね。これが悪い夢ならば、明日には元通りになるはずですから。生活の拠点は女子寮にしましょう。私たちは空いている部屋をお借りするとして、プロデューサー殿も来られますか? いや、その方が良いかと」

「ええ!? 俺も!?」

 確かに俺の住んでたアパートは砂と化して生活拠点はないけども。でもだからって女子の秘密の花園に土足で踏み入るのは……。

「別に私たちは気にしませんよ? ね、美穂ちゃん」

「ええ! そこで私に振る!?」

 響子からのパスをお手玉している美穂は少し俺の目を見て顔を赤らめて、

「よ、よろしくお願いします!」

「こちらこそ?」

 互いに深々とベッドバンキング。なんだこの展開。

「あはは! 何それ、同棲するみたい」

「ど、どどどど同棲!? 同棲!?」

 冷やかす加蓮をトマトみたいに顔を赤く熟れさせて追いかける。落ち込んだり恥ずかしがったり女の子ってのはなかなかに忙しいな。

 部屋割りはもともと住んでいた子らはそのままで、引っ越し組は二階と三階の空き部屋に分かれることになった。美穂、響子、肇は元々三階で悠貴と俺が三階の部屋を、卯月と藍子と加蓮と亜季は二階の部屋を使うことになった。



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