小日向美穂「グッバイ、ネヴァーランド」
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33: ◆d26MZoI9xM
2019/12/16(月) 00:54:58.09 ID:nY0iWbpOO
「しかし芳乃の石像か」

 神殿に飾れば崇め奉る人が集まりそうだな、と不謹慎なことを考えると顔に出ていたのか肇と悠貴はやや引いた顔をしている。

「でももしかしたら他のみんなも芳乃みたいに石像があるかもしれないな……後でみんなで手分けして部屋の中見てもらっていいかな? 流石に俺が何度も何度も女の子の部屋開けるわけにはいかないからね」
以下略 AAS



34: ◆d26MZoI9xM
2019/12/16(月) 00:56:06.21 ID:nY0iWbpOO
「亜季さん、このカレーですけどスパイスをどんな配分で入れたんですか? 今後の為にも教えてください」

「お嫁さんにしたいアイドル殿堂入りの響子殿にそこまで言われるとは! いやはや、ネイビー冥利につきますな!」

「オレガノ、シナモン……あと何でしたっけっ? ヒトリデデキルモン?」
以下略 AAS



35: ◆d26MZoI9xM
2019/12/16(月) 00:56:41.84 ID:nY0iWbpOO
「芳乃ちゃんがここにいるのって、変じゃないですか?」

「ん? どういうこと?」

「確か芳乃ちゃんって泊まりで地方のロケに行ってましたよね。美嘉ちゃんと李衣菜ちゃんと一緒に」
以下略 AAS



36: ◆d26MZoI9xM
2019/12/16(月) 00:58:35.31 ID:nY0iWbpOO
「東京でも、こんなに星が見られるんだな」

 人工の光はほとんど消えた元都会の砂浜の上を満点の星空が見守っている。えっと、あれがデネブアルタイル……。

「ベガですよ、プロデューサーさん」
以下略 AAS



37: ◆d26MZoI9xM
2019/12/16(月) 00:59:50.63 ID:nY0iWbpOO
「プロデューサーさん……これ夢なんでしょうか?」

「なあ美穂。俺のほっぺつねってくれないか?」

「あの、私のほっぺもつねってもらって良いですか?」
以下略 AAS



38: ◆d26MZoI9xM
2019/12/16(月) 01:01:04.65 ID:nY0iWbpOO
「早起きしてジョギングしようと思ったんですっ。でも流石にこんなに雪が降っていたら難しいですね」

 一晩あければ悪い夢が醒めてくれることを期待していたのに、待っていたのは余計意味不明な光景。女子寮ごと北国にワープしてしまった感覚に陥ってしまうが周りの風景は昨日と変わりがない。

「今日李衣菜殿と美嘉殿の家に行くんでしたよね? しかしこの天候、まともに運転できなさそうですが冬用タイヤの用意はあるのですか?」
以下略 AAS



39: ◆d26MZoI9xM
2019/12/16(月) 01:01:43.91 ID:nY0iWbpOO
 今でこそステージで激しいダンスも踊りバラエティ番組でロードランナーの上を走ってクイズに答える加蓮だけど、昔は身体が強くなく入退院を繰り返していたそうだ。本人は大丈夫大丈夫と言ってはいるが……。

「みんな過保護だって。それに今頗る体調良いから大丈夫だよ、風邪なんかひくわけないって」

「しんどくなったらすぐに言うんだぞ? 加蓮に風邪引かせようものなら先輩に何をされるか」
以下略 AAS



40: ◆d26MZoI9xM
2019/12/16(月) 01:02:12.92 ID:nY0iWbpOO
「えっと確か、この辺りだったよね」

「あれあれ! 表札にも多田ってあるよ」

 案外李衣菜の家は事務所の近くにあった。加蓮と美穂を車内に残してチャイムを鳴らす。ピンポンとチャイム音が響くも出て来る気配はない。というか他の家同様誰かが住んでいる空気ではなかった。
以下略 AAS



41: ◆d26MZoI9xM
2019/12/16(月) 01:03:34.52 ID:nY0iWbpOO
「李衣菜の部屋にも……いないか」

 部屋という部屋を探して回ったが石像の一つもありゃしない。そりゃあ一般家庭に自分の姿を象った石像があれば怖いけどもさ。分かったこといえば李衣菜の部屋はすみずみまで掃除が行き届いているということくらいか。響子が見たら不満を覚えそうだ。

「李衣菜ちゃん……」
以下略 AAS



42: ◆d26MZoI9xM
2019/12/16(月) 01:04:03.06 ID:nY0iWbpOO
「やっぱ美嘉も莉嘉もいないか」

 城ヶ崎家も探索してみたけど真新しいものはない。姉妹の石像は当然ないし、強いて気づいたことと言えば美嘉の部屋にミニうえきちゃんが飾ってあったことくらいだ。

「お前は何か知らないのか?」
以下略 AAS



43: ◆d26MZoI9xM
2019/12/16(月) 01:05:56.78 ID:nY0iWbpOO
「これ使いな」

「えぐっ……ありがとうございます……ごめんなさい、プロデューサーさんのハンカチ借りちゃって」

 白いハンカチに涙が染みる。なに、ハンカチの方も俺に使われるよりも女の子に使ってもらった方が嬉しいに決まっているさ。
以下略 AAS



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