4:名無しNIPPER
2019/12/26(木) 10:31:32.61 ID:HiJHpINdO
溜息をつく。急な仕事で都合がつかないとはいえ、撮影終わりの担当アイドルをよりにもよって僕に迎えに行かせるなんて、あいつも良い趣味をしている。まあそれが僕の仕事だから仕方ないのだけど。
ここはアイドル事務所、シンデレラプロダクションのプロモーションフィルムを撮影しているロケ地。『Spin-off!』と題されたそれは、5人の少女が閉じた世界に抗うというストーリーだ。おっと、少女と言うには少し語弊がある。なぜなら??
「オイ☆ 誰がBBAだ?」
「......まだ何も言ってないんだが」
「まだってことはこれから言うつもりなんでしょ?」
「それは......まあ......」
「否定しろ☆ 食らわすぞ?」
彼女は佐藤心。『Spin-off』の主要な役を勝ち取ったアイドルな訳だが、いかんせんうるさい。26歳のくせに。
「あいつにはそろそろコレを迎えに行かせられる俺の気持ちにもなって欲しいよな」
「プロデューサーなら愛するはぁとを迎えに行けるなんて幸せ☆って思うんじゃない? いやーんはぁとってばお上手♪」
「あー、はいはい。ようござんした。仲良きことは素晴らしいですなぁ」
「そんなことよりさーむーいー! 早く事務所戻ろ!」
彼女が車に走り込んでいく。今回は社用車が出払っていたから僕の私用のだ。
そんな風に簡単に乗りやがって。信頼されてるってことだろうし、確かにちゃんと事務所まで送るつもりだけど。でも。
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