51: ◆ty.IaxZULXr/[saga]
2020/01/24(金) 21:53:18.76 ID:W4W9+UtG0
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体育館・更衣室
体育館の更衣室には救護用のベッドが1つ備えられている。かな子はそこで眠っていた。ケガとかはないみたい。何よりね、あの人形も本懐を忘れていなかったみたい。
「かな子、起きて」声をかけてみるけれど、起きない。強制的に眠らされているのかしら。体をゆすってみても起きない。眠り姫には口づけかしら……かな子の顔に近づいてみる。寝息が当たるほどに。
「……なんてね。起きて、かな子」口づけはしない。フェアじゃないもの。耳元で言葉をかけるだけにしたわ。
「う、ううん……?」
「おはよう。よく寝れたかしら?」
「え、奏さん?あれ?ここ、どこですか?」
「私達の部屋に帰りましょう、かな子」
良かったわ、私は嘘つきで。この状況を嘘で塗りつぶして、かな子には私に言いくるめられてもらいましょう。かな子が私の嫌いな思いを想像することはないわ、私がそう望むの。
「今日はケーキを用意しているの。さ、早く」
ラベンダーの香りがするケーキ。きっと、優しい味がするわ。
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