【ミリマス】さかしまの欠片
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22: ◆u/54BSBlPw[sage saga]
2020/02/08(土) 19:53:06.87 ID:RvB9VQpu0
仕掛け人さまが怒らなかったのは、叱らなかったのは、
紬さんの言葉を知っていたからなのだろうか。

「できません」

仕掛け人さまは首を振って、決定的な一言を放った。

「僕には、あなたたちの未来を守る責任があります」

心臓が、どくんと跳ねた。
仕掛け人さまの言葉は、私が求めた優しい言葉と、とてもよく似ていた。
でも、似ているということは、決して同じではないということでもあった。

紬さんは、壁にぶつかって砕けた氷塊のような気配で立ち尽くしている。
身体はそこにあるのに、心はばらばらに見えた。

「そんなん……言われたら、もう」

26秒間、あれほど美しく動いた腕が、だらりと垂れ下がって、
顔は俯いたまま、今にも終わってしまいそうな願いが、そこにはあった。



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