【ミリマス】さかしまの欠片
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32: ◆u/54BSBlPw[sage saga]
2020/02/08(土) 20:32:13.43 ID:RvB9VQpu0
「あっ」

「おや」

私と仕掛け人さまの声は、ほぼ同時に上がった。

紬さんが右手をゆっくりと掲げて、ふたりで予感したのだ。
それはあの鈍い転倒のような悪い予感ではなくて、私は次の瞬間、思わず呼吸を止めた。

全身を導く視界の流れに逆らって、紬さんは全く違う振り付けを魅せたのだ。

あれは、私の曲だ。

私の曲の、私がいちばん好きだった指先の動きを、紬さんはそっくりそのままなぞっていた。

紬さんが何を思ってそう動いたのか、私には覚えがなかった。

でも、大事な『何か』を伝えようとしてくれたのは分かった。
そして、今はそれでいいのだと、心から思うことができた。


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