36: ◆u/54BSBlPw[sage saga]
2020/02/08(土) 20:57:57.62 ID:RvB9VQpu0
「あ、しまった」
仕掛け人さまは突然、間の抜けた声を上げた。
「今、目が合いました」
「え?」
「僕の隣で、あなたが泣いているのを白石さんに見られました」
「紬さんに、ですか?」
視界がぼやけて、舞台の上に立っているはずの紬さんの輪郭が、うまく掴めない。
「……申し訳ありません」
私は、この後に起こるであろう仕掛け人さまの悲劇を想像した。
「いえ、スチュアートさんの責任ではありませんが……いやあ参った、これは後が大変だ」
「私が誤解を解いておきますから……」
「よろしくお願いします」
今日一番の切実さで、仕掛け人さまは深々と頭を下げた。
48Res/27.33 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20