【鬼滅の刃】彼女に手向の花束を【ぎゆしの】
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10:名無しNIPPER
2020/04/07(火) 22:13:41.68 ID:73mvxtQeO
「あっ…」

 捨てられていたのはどれもこれも、藤の花だった。


11:名無しNIPPER
2020/04/07(火) 22:14:12.56 ID:73mvxtQeO
「酷い…」
「藤の花はしのぶ様が好きだった花なのに…」
「屋敷にも植えていらしたのに…」

 違う、違う、違う、違う、確かにしのぶ様は藤の花を屋敷に植えていた。そして、手に持っていることもよく見られた。けどもそれは好きだったからじゃない。全ては鬼を[ピーーー]ため。自分の身体を毒に変えるために、育てていただけなのだ。


12:名無しNIPPER
2020/04/07(火) 22:14:42.91 ID:73mvxtQeO
「なぁ、アオコ、お前ならわかるだろ?何も…向こうでまで、藤の花を見ることねぇじゃねぇか…」
「伊之助さん…」

 死後の世界なんて信じていなかった伊之助が、こんな発言をするようになったのも、全てはしのぶ様との関わりからだ。


13:名無しNIPPER
2020/04/07(火) 22:15:17.64 ID:73mvxtQeO
「…あいつらは…せめて向こうでは幸せになってほしいよなァ…」

 あいつ"ら"というのは、この屋敷の先代の主人のあの人のことだろうか。この人もまた、彼女に救われた一人なのだろう。


14:名無しNIPPER
2020/04/07(火) 22:16:01.07 ID:73mvxtQeO
「なぁ、胡蝶…お前はいつも他人のことばかりで、自分のことは二の次だったな…」

 義勇は空を見上げる。ここまで優しい目をしている義勇を、アオイは今まで見たことがなかった。


15:名無しNIPPER
2020/04/07(火) 22:16:45.31 ID:73mvxtQeO
「次に生まれ変わって…もしもまた出会えたら…」

 聞こえるか聞こえないかの声で、呟く。それはまるでしのぶ様にだけ聞こえればいいと、そう思わせるような小さな声で…

「今度は、好きな花くらい教えてくれ…」
以下略 AAS



16:名無しNIPPER
2020/04/07(火) 22:17:12.89 ID:73mvxtQeO
それから何百年後…どこかの町の、どこかの学校で

「どうしたんですか?冨岡先生?え?好きなお花?」

終わり


17:名無しNIPPER[sage]
2020/04/08(水) 15:00:36.83 ID:YFXv5EoYO



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