男「それは、宇宙の彼方」
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149: ◆qhZgDsXIyvBi[sage saga]
2021/12/15(水) 23:01:52.74 ID:ECNFnKQ+0
 自分の席に座りながら、髪留めを眺める。

 毎日の日常の中で。

 この髪留めだけが特別だ。
以下略 AAS



150: ◆qhZgDsXIyvBi[sage saga]
2021/12/15(水) 23:13:34.75 ID:ECNFnKQ+0
 チャイムが鳴り出して、授業が始まる時間を告げた。

男「んー」

 無意識に伸びをした。
以下略 AAS



151: ◆qhZgDsXIyvBi[saga]
2021/12/15(水) 23:14:00.87 ID:ECNFnKQ+0
 なんてことのない毎日だ。

 朝から夜になるだけ。

 今日から明日に変わるだけ。
以下略 AAS



152: ◆qhZgDsXIyvBi[sage saga]
2021/12/15(水) 23:14:30.18 ID:ECNFnKQ+0
 なんてことのない日常が始まる。

 何度も繰り返した日々を経て、今、この世界がある。

 今も作られた世界はどこかに存在する。
以下略 AAS



153: ◆qhZgDsXIyvBi[sage saga]
2021/12/15(水) 23:20:55.23 ID:ECNFnKQ+0





以下略 AAS



154: ◆qhZgDsXIyvBi[sage saga]
2021/12/15(水) 23:21:23.80 ID:ECNFnKQ+0
男「もしもし」

父『ご無沙汰しています』

男「普通に電話繋がるんすね」
以下略 AAS



155: ◆qhZgDsXIyvBi[saga]
2021/12/15(水) 23:21:58.22 ID:ECNFnKQ+0
父『その後、あの娘は大丈夫ですか?』

男「はい。今……おい、電話中だぞ」

女「落ち着く」
以下略 AAS



156: ◆qhZgDsXIyvBi[saga]
2021/12/15(水) 23:22:27.05 ID:ECNFnKQ+0
男「ああ」

父『記憶同期でわかっていると思いますが、記憶同期の実施は88888回の中で何度も行っていました』

男「はい、そうみたいですね」
以下略 AAS



157: ◆qhZgDsXIyvBi[saga]
2021/12/15(水) 23:23:45.18 ID:ECNFnKQ+0
父『髪留めです』

男「髪留め?」

父『あの娘は以前も申し上げた通り、我々が作成した"素体"です。
以下略 AAS



158: ◆qhZgDsXIyvBi[sage saga]
2021/12/15(水) 23:24:21.90 ID:ECNFnKQ+0
男「なんでそんなことが?」

父『予想するに、あなたの身体では耐えられない情報量が脳内に巡る際、どうしても処理しきれなかったっことが原因で失敗していました。

  しかし、我々の星に由来する素材で生成された髪留めを持っていたことによってあなたの身体だけでなく、その処理に干渉を与えたのだと考えられます』
以下略 AAS



159: ◆qhZgDsXIyvBi[sage saga]
2021/12/15(水) 23:25:11.65 ID:ECNFnKQ+0
父『初めてあなたを連れてきた時点で、彼女の行動は全て我々の意に反することでした。

  我々は行動方針を命令することはできます。ただ、これは絶対的な行動を約束しません。

  最終的には彼女の判断で動くのですが……まさかまさかです』
以下略 AAS



160: ◆qhZgDsXIyvBi[saga]
2021/12/15(水) 23:25:40.41 ID:ECNFnKQ+0
男「なるほど」

父『ただ、あの髪留めがあなたを助けられるほどの品物だったかどうかは定かではありません』

男「?」
以下略 AAS



161: ◆qhZgDsXIyvBi[sage saga]
2021/12/15(水) 23:26:28.20 ID:ECNFnKQ+0
父『なんだか不思議な感覚ですね』

男「何がです?」

父『あなたとこんなお話をするようになったことがです』
以下略 AAS



162: ◆qhZgDsXIyvBi[sage saga]
2021/12/15(水) 23:27:18.31 ID:ECNFnKQ+0
父『まあ、また』

男「はい」

父『彼女の近況を教えていただくために、定期的に連絡致します』
以下略 AAS



163: ◆qhZgDsXIyvBi[sage saga]
2021/12/15(水) 23:28:33.89 ID:ECNFnKQ+0
男「……人間っぽいこと言いますね」

父『娘をよろしく頼みますね』

男「は、はい……」
以下略 AAS



164: ◆qhZgDsXIyvBi[sage saga]
2021/12/15(水) 23:29:21.88 ID:ECNFnKQ+0
女「……」

 彼女がこちらをジッと見つめていた。

「落ち着く」という俺の胸元、超至近距離で。
以下略 AAS



165: ◆qhZgDsXIyvBi[sage saga]
2021/12/15(水) 23:29:57.63 ID:ECNFnKQ+0
 あの日から一ヶ月以上が経った。

 どうやら、今日という日は世界が再作成(リセット)を繰り返していた時には迎えることができなかった日のようだった。

男「お前は何度も繰り返してたんだな」
以下略 AAS



166: ◆qhZgDsXIyvBi[sage saga]
2021/12/15(水) 23:30:58.37 ID:ECNFnKQ+0
 普通、人間の記憶なんて朧げなものなのだが。

 脳内に直に転送された記憶は非常に鮮明だった。

 映画を観に行ったり、商店街に出かけたり。
以下略 AAS



167: ◆qhZgDsXIyvBi[sage saga]
2021/12/15(水) 23:31:37.66 ID:ECNFnKQ+0
男「俺はすげえ覚えてるけど、お前は覚えてないんだもんな」

 軽くため息を吐いてみる。

女「……」
以下略 AAS



168: ◆qhZgDsXIyvBi[saga]
2021/12/15(水) 23:32:19.59 ID:ECNFnKQ+0
女「これから」

男「ん」

女「一緒に経験する」
以下略 AAS



169: ◆qhZgDsXIyvBi[sage saga]
2021/12/15(水) 23:35:20.55 ID:ECNFnKQ+0
去年の4月にスレを立てて、急ぎ足で完結しました。

よくわからない部分ありましたら補足も致します。

ありがとうございました。またどこかで。


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